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□幸せ
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「テソナ、ちょっと待って」

「ヒョン、こんな時にそんな野暮な事言わないで下さい」

「いや、そういう次元の問題じゃなくて」

じゃあ一体何が文句あるんですかと言わんばかりのテソンの視線にも俺はめげるわけにはいかない。

「テソナ、一ついい?」

「はい」

「俺、ネコなの?」

「違うんですか?」

流石俺のテソナ、キョトンとした顔も可愛い。
付き合って結構いい感じに時間も経ったしそろそろかな、という予想はしていた。
でも、予想と立場が違う。

「え、俺、タチのつもりだったんだけど」

そのつもりだったのに、テソナが、ほらヒョン、脱いでください、なんて言ってくるから結構びっくりした。

「やだなぁ、ヒョンはネコでしょう?」

「いやいや普通は俺がタチ」

「ネコ、イヤですか?」

「だって俺テソナのこと抱きたい」

そんなしょげた顔されてもこればっかりは譲れない。
ついでに、テソナに抱かれる俺が想像つかない。

「でも、ヒョンのこと大好きなんです」

「うん」

「だから、そのエッチな事とかもしたいんです」

「うん」

「だから、タプヒョンを抱きたいし、ヨくなって欲しいんです」

「うん・・・うん?」

「いいですね、ヒョン。待ったなしですよ」


抱き締められてキスされて、うっかり流された気がするけど、テソナがカッコいいからそれでいいかな。

「タプヒョン」

「うん?」

「ネコ、初めてなんですよね?」

「うん」

「ヒョンの初めて、貰いますね」

嬉しさをこらえきれない口調と裏腹にテソナの目の奥に野性的な光が灯るのを見た。

「とびきりヨくしますから」

安心してください

別に不安はないんだけど、と思いながらテソナの唇に食らいついた。
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