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□ハッピーバレンタイン
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はーい皆さん。
みんなのマンネ、スンちゃんです。

ただ今、俺は台所に立ってるわけです。
何でって?
そりゃもちろん、チョコレートのためです。

最近は便利なものも売っていて、手作りキットなんてあるんですよ。
だから、チョコクランチでも作ってみようかな、って思ったんです。

チョコレートを湯煎にかけて溶かすところからですね。

「・・・えーっと」

温度はこのくらいでいいかな?

よーし、オッケー

「何してんのー?」

後ろからの衝撃、飛び付かれたらしい。

「・・・あ!」

手元が狂ったせいで、チョコにお湯が入ってしまった。
みるみるうちに固まるチョコ。

オ・チョ・ラ・ゴ!

「うわぁあ、どうしてくれるんですか!?ジヨニヒョン!」

「え、何か悪いことした?」

俺の慌てっぷりに、眉をしょんぼり下げて小さくなる真犯人。

俺がなんのために頑張ってたと思ってるんですか!?
可愛いなぁ!もう!

「・・・はぁ、もういいです」

使い物にならなくなったチョコレートを脇に置き、新しいチョコレートに手を伸ばす。

「ヒョン?」

ハッと脇を見ると、失敗したチョコレートのボールをのぞきこむヒョン。

「固まったの?」

「そうですよ、ヒョンが急に飛び付くからお湯が入っちゃったんです」

「食べられないの?」

「一応食べられますけど」

と答えるやいなや、ヒョンはふーんとか言いながらチョコレートをモグモグと頬張り始める。

「ヒョン、あとでちゃんとしたヤツあげますからソレ食べないで下さい」

「でも、もったいないじゃん」

「ヒョンには完成品食べて美味しいって言って欲しいんです」

「え、ソレ俺の?」

「・・・もちろんです」

「わぁお、スンリヤ大好き」

チュッと言う可愛らしい音と頬に柔らかい唇の感覚。
惜しみ無い愛情表現はウェルカムです。

「俺もですよ」

ヒョンのスベスベの赤ちゃん肌の頬にキスを返す。

「俺もチョコレートある」

「え、ほんとですか」

「ほんと」

「どこですか?」

「どこだと思う?」

「ヒョンの部屋、とか?」

「残念。正解は、ここ」

むに、と人差し指が俺の唇を軽く押さえる。
俺の、口?

口を押さえられているので、首をかしげて疑問の意を示す。

ニヤと、ヒョンの口角が上がって、そのまま口付けられる。

「んっ」

舌で探るようにヒョンの口内を犯す。だってチョコレート、あるんでしょ?

「ふっ、ん」

唇が離れる。

「どうだった?」

「甘かったです、とっても」

「そうだろ?」

「ジヨニヒョン、全体が甘いんじゃないですか?味見させてくださいよ」

「味見だけ?」

「いいえ、全部食べます」

「そうこなくっちゃ」

『ハッピーバレンタイン』
(チョコクランチはその後にしましょう)

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