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□Engage
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「スンリ、デート行こう?」
「いいですね、どこ行くんですか?」
久しぶりに暇だったある休日。
ジヨニヒョンからの可愛いお誘い。
「まあ、いいからついて来いよ」
いたずらっ子みたいな笑顔のまま、俺の腕をひいてどんどん歩く。
なんだか小さい子供に引っ張られてるみたい。
「ほら、早く早く」
「そんな急かさないでくださいよー」
「お前がトロいのが悪いー」
「ヒドイですよー」
目と目が合って思わず笑いがこみ上げる。
なんだか可笑しいですね。
「この辺、何があるんです?」
「内緒。着けば分かるよ」
「まあ、そりゃそうですけど」
着いて分かんなかったら、俺相当馬鹿ってことになりますから。
それから、5分くらい歩くとヒョンの足が止まった。
「ほら、見えた」
「アレですか?」
「そ、アレだよ」
アレ、というのはこじんまりとした教会。
もう少し歩けば、着きそうな距離の場所にある。
「競走しよ!先に着いた方が勝ち!」
どうして教会なんですか、と聞こうとした俺をさえぎるように、そう一言言い放って、ヒョンが走り出す。
「ちょっと!ヒョン!フライング!」
反射的に俺もヒョンを追って走り出す。
ジヨニヒョンの考えることは俺に到底たどり着けないようなところにあるのはよく知っている。