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□それ以上
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「いいなぁテソナは」

トレーニング後のテソンを見て思う。

「どうしてですか急に」

怪訝そうな顔でテソンがこちらを見る。

「筋肉だってしっかりついてるし」

「あー、それでまじまじこっちを見てたんですか」

「ほら、背中とか腕とか」

背中に手を伸ばし上から下に手を滑らせる。
汗かいてますよ、と言われたが気にしない。

「筋肉がつきやすいんですよ」

「俺もがんばってるんだけどなぁ」

自分の腕を見つめてみたけど、なんとなく気に食わない。

「ヒョンだってちゃんとついてますよ
披露しないだけじゃないですか?」

「だってはずかしいじゃん」

「さわらせるのはいいのに?」

「うーん、それとこれは違う、多分」

何が違うんだろうと少し考えてるとテソナが突然提案した。

「……、ヒョンちょっとそこにうつぶせになってください」

「ん?」

そう言ってテソンが指差したのはベッド。

ベッド?いいけど

「ちょっと失礼しますねー」

背中のところからテソナの手がじかに触れる。

少し冷たい手がスーッと背骨をなぞる。

「ひゃっ」

「あ、手冷たかったですねすみません」

さっきよりゆっくり確かめるようになぞってくるテソンの手。
さっきみたいにもう冷たくない。

「ヒョンだってちゃんと筋肉ついてますよ?」

「そう?」

「はい、ひっくりかえって」

「ん」

ごろーんと上を向いて寝転がる。
視界いっぱいにテソンが映ってなんとなく可笑しい。

ちょっと面白くなってきた俺とは裏腹にテソンは真剣にそっと触れてくる。
くすぐったいな

心臓ドキドキしてるのバレないといいけど

「腹筋もちゃんと割れてますし、胸筋も。」

「なんか服着たまま探られるの恥ずかしい」

「でも、ヒョン脱ぎたくないんでしょ?」

「・・・いや、そうだけど」

なーんかテソンもずれてる気がするんだけどなぁ

「足ももう少し鍛えた方がいいんじゃないですか?」

「っぁ」

滑り降りてきた手のひらの感覚が太ももに伝わって、その、反射的に声がでてしまった。

テソンから醸し出されるちょっと戸惑った様な雰囲気

「・・・ひょん?」

「や、ちが、これは、ちがう」

「何がですか。」

「テソナの手つきがやらしいから」

「やらしくないですよ、やらしいこと考えてるのはそっちでしょう」

「で、でもテソナのせいでそういう変な気分になったんだってば」

「もー。しょうがないひとですねー」

たくましい腕に肩を押され押し倒された。

「へ?」

「じゃあ責任とって満足させてあげます」

さっきみたいに視界いっぱいにテソンが映ったけど、
さっきと違ってドキドキして目が回りそうだった。
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