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□名前
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「ヨンベ…」

あのね、と服の裾を引っ張ってジヨンが俺を呼ぶ。
声がとてもふわふわして眠いんだろうな、と思う。

背中あわせで横になってしばらくしてからのことだった。

くるっと俺も反転してジヨンと向き合う。

「眠いんじゃないの?」

さらさらと髪をなでながら、訊くとジヨンはそっと目を閉じて俺の手を握って自分の頬に当てる。
そしてゆっくり目を開けて俺を見た。

「うん…、眠いんだけど寝たくない」

「どうして?」

「怖い夢を見るから」

その言葉とともに歪んだ表情に心が痛む。

「大丈夫、俺がいるから」

気休めになるかも分からない言葉を呟いて微笑む。
上手く微笑めているだろうか。

「うん」

表情に陰りを残しながらもうなずいてくれたことに安堵する。
こんな俺でいいならそばにいてあげる。いつまでもその手を離さないでいよう。

「ねぇ、ヨンベ」

「?」

「俺、ヨンベを失うのが一番怖いかもしれない」
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