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□名前
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「そう…?」
また微笑んで誤魔化した。
俺はその言葉に何を思えばいいの?
きっと恋人なんてそんな甘いものじゃないこの関係だから。
いつか終わりの来る関係なんかじゃないから。
ジヨンはそう言うんだろう。
うつらうつらと半分夢の中のジヨンに布団をかけてやりながら考える。
「おやすみ」
でも俺はこの関係に名前が欲しい。
女々しいって言われたって構わない。
こんなくだらない名前の拘束力すら欲しいなんて我ながら依存しすぎなのかもしれない。
でもきっと俺たちなら上手くやれると思うんだけどなぁ。
それは夢見がちな予測なのかな。
目がさえてしまって眠れない。
でもきっと朝までにはいつの間にか眠りに落ちているだろうから。
『名前』
(人間は贅沢だ)