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□据え膳
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「テソニヒョン、どいて下さい」
つぶれます。
可愛い可愛い末っ子の冷や汗が伝う額を手でぬぐってあげる。
「スンリヤ」
「ハイ、ナンデショウ」
意味のわからない状況に泳ぎまくる視線。
そんなに焦るなんて、スンリヤ、お前には一体どれだけ後ろめたいことがあるんだろうね。
焦る姿も可愛いんだけどさ、今日は許してやんない。
「こんな状況になる心当たりは?」
「無い、はず、です。」
人生の中でも成人男性に馬乗りになられて手首押さえつけられるなんて経験なかなかしないだろうし、二度とこうならないためにも学習した方がいいね。
「本当に無い?」
「ブラックオーラ全力搭載の堕天使にお仕置きされるほどの事は」
無いはずです。
と言いかけたスンリの喉仏に手首を抑えた手と反対の手の親指を当てる。
察したスンリが言葉を飲み込む。
喋ろうとしたら“喉つぶそうか?”って聞いてあげようと思ったのにつまんないじゃん。
でも、ひくつく喉がちょっとセクシー?
「本当に減らず口だね、スンリヤ」
「黙ってる俺とか気持ち悪いでしょ?」
「そんなスンリに1つ忠告してあげるよ」
口に人さし指を入れる。
舌で押し返される。
すかさず中指も突っ込み暴れる舌を挟む。
「あんまりふざけてると、舌、切っちゃうよ」
「ぅ、」
「歯立てないでね」
何をするでもなく、舌をぐにぐに挟み弄ぶ。
「スンリはここまでやられても分かんないかなー・・・どうなの?」
「ごめ、なさ」
なーんてねー。
実は、ジヨンヒョンと仲良くしすぎ、とかタプヒョンとわざと仲良くしてみてるのにどうして妬いてくれないの、とか色々あったんだけど。
まー、本人も心当たりあるみたいだしいいかな。
ぶっちゃけ、怯えて涙目のスンリ見てたらどうでも良くなってきちゃった。
「分かってるなら、以後、気を付けてね」
「・・・っ、はい」
あー、もう、我慢してたけどもう無理。
そんな息上がった状態で涙目で上目遣いとかされたら、さすがに我慢できない。
お仕置きっていうかご褒美みたいになっちゃうけど、まぁいいか。
『据え膳』
(食わざるは男の恥ってやつだよ)