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□言葉
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「ヒョン、今暇ですよね」
「うん」

「愛してる、とか、好きって言葉使わないゲームしましょ」
「?」

流石に説明不足だったのか、なにそれ?って顔されてしまった。
当然だよね、これで分かったらなかなかすごい。

「だからね、簡単な言葉を使わないで気持ちを表現するんですよ」
「ふーん」
「ね、ヒョンは俺のことどのくらい大事ですか?」

好き、とか愛してるって言葉は気に入ってるけど、たまにはこういうのもいいでしょ?

ヒョンは俺にどんな言葉をくれるんだろう。

「んー・・・スンリヤは、すごく大事」
「他は?」
「それだけ」

・・・それだけですか。
あまり期待はしてなかったけど、流石に適当すぎやしませんか。
表情一つ変えないなんてそんなのないです。

「・・・」
「スンリヤ、」
「・・・」

声を出したら、声が震えると思ったので何も答えなかった。
勝手に期待して勝手にショック受けるなんて恥ずかしすぎる。

「どうして泣くの」

はっと気づくと、目に涙が限界まで溜まっていた。
袖で慌てて目を擦る。

「赤くなるだろ」

目を擦っていた腕を捕まれる。
少し目を開きぎみの変な顔したタッピョンを睨む。

「・・・泣いてないです」

「泣いてた」

「いい加減離してください」
「ヤダ」
「何で」
「だってお前がどれくらい大切か表現してない」
「え」

涙を掬い取るように目元にキス。
俺の言葉を封じ込めるように唇にキス。
もう一度、唇にキス。

次は深いキス。

最後にそっと抱き締められた。

「言葉じゃアレ以上思い付かなかったけど、行動ならどう?」
うまく言えなくてごめん

そう謝られてしまえば俺から言う事は何もない。

「・・・ヒョン」

試そうなんて考えちゃってごめんなさい。

『言葉』
(もともとそんなものいらなかったですね)

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