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□大人
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「タッピョンはー?誰か知らない?」

収録ステージの本番前の楽屋はいつだってあわただしい。
そんななかタッピョンを探すジヨンヒョンの声。
エクステまた蛍光色ですか、まあヒョンなら似合うんですけど。

「たぶんまだ着替えてるんじゃないですか?」

髪型をセットし確認のために鏡を覗き込みながら返事するテソニヒョン。
気に入らないのか前髪を少し手で直している。
それより、また髪の色変えたんですか。

「誰か呼んできてよー」

メイクで変身中のベベヒョンがそう言う。
結構がっつりファンデ塗られてますよね。

それぞれ何かと忙しいこの状況では俺が適任だろうと察したので

「俺が呼んできます」

と素直に答える。

「ん、頼んだよスンリ」

アイラインを確認しているジヨニヒョンが答える。
しぐさが女の子っぽいですよね、絶対言えませんけど。

「はーい」

楽屋を出てすぐ隣の扉を軽くニ回ノック。

「ヒョン?ちょっといいですか?」

・・・あれ、返事が無い。
おかしいな、流石に着替えも済んで準備万端の頃合いなんだけど。
まさか寝てる?
流石にそれは無いかと思うけれど、風呂でだって眠れる人には何が起こってもおかしくない。

「あけますよ?」

ドアノブをまわし、そっと押す。
扉を半分くらい開けて半歩踏み出す。

「あれ?いない?」

タッピョンの姿がどこにも見当たらない。
嫌な焦りを覚えて慌てて部屋に飛び込む。
次の瞬間、ドアの死角から腕を思い切り引っ張られバランスを崩す。

「っ!」

引っ張られた方向につんのめり、こけると目をつぶった瞬間、俺を抱きとめるよく知ってる身体の感触。

「おどろいた?」

鼓膜に響く俺の大好きな低い声。
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