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□Color
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GD (side Dae)

「ジヨンヒョン?」

テーブルに向って何やらごそごそしているジヨンヒョンに声をかける。
くるっと振り向いたヒョンの手には真っ赤な苺。熟し切ってて少しでも力を込めればつぶれてしまいそう。

「あー、お前も食べるぅ?」

「苺ですか?」

「そー、もらったの」

「俺はいいです」

「ふーん、そう?」

「もう残り少ないですし」

「まだまだあるんだけどな」

整った唇に挟まれて潰れる熟れた苺。赤い果汁に染まるもともと綺麗な色した唇。

「?口の回り汚してる?」

「真っ赤ですよ、人でも食べたみたい」

「あー、あれ?あんまり美味しくない」

「食べたことあるんですか」

「あるわけないだろ、気持ち悪い」

「ならいいですけど」

俺は時々ジヨンヒョンが人食いに見えるときはありますけどね。

だってそうでもなくちゃ、ジヨンヒョンがあんなに綺麗な理由に説明がつかないじゃない?

「何、そんな疑ってんの?」

「そんなこと無いですよー」

「まあテソンが『食べて?』っていうなら食べてあげるよ?」

そしてまたジヨニヒョンの口に運ばれる苺が1つ。
白い歯に潰される。
えんげした喉から目が離せなくなる。
そうして、ヒョンの一部になるのだ。あの赤い苺は。


羨ましい

何て思った俺、おかしい?

『赤』
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