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□sick
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静かな深夜に、メールの着信を告げる携帯電話。
こんな時間に来るメールなんだ、別に開かなくっても内容ぐらい察しが付く
『ごめん、今日そっち行けない』
一行だけそう書かれたメール画面。
送り主は俺の恋人。
『そっか、分かった』
そう返すことしか出来ない自分の臆病さにあきれる。
馬鹿馬鹿しいといくら思っても臆病でいるしかないから。
暗い部屋のベッドに横たわりきゅっと猫のように丸くなる。
タッピョンは俺というものがいたってお構いなしで女の子と遊ぶし、浮気もする。
今夜だってどうせそんな理由だ。
「はぁ・・・」
不安と闘うエネルギーは優しい低い声で囁いてくれた言葉、抱きしめてくれた感触の記憶
それでも、嗚呼、こんな儚いモノでどうやって戦えって言うの。
俺以外の娘と遊ぶの止めてよ、って。
他の人に思わせぶりな態度取るの止めてよ、って
言ってしまえればいいけれど、もし面倒だって思われたら?タッピョンにもし俺とのことも遊びって言われたら?
女々しい考えだけど、仕方無い
・・・でも、もう限界かもしれない。