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□木漏れ日
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※学パロ注意

「ヒョン、俺一人で保健室くらい行けますよ、それにもうすぐ授業始まっちゃいますし…」

俺はここで引くわけにはいかない。

「まあまあ、いいじゃん。俺がいいって言ってるんだから。」

周りの友達は天下の先輩クォン・ジヨンに逆らう気は無いらしく、助けてくれる気配は無くちゃっちゃと教室に戻っていった。

何を言い争っているかというと、運動場での体育の授業中に運悪く足をねん挫してもらった俺が友達に支えてもらいながら昇降口に戻ってきたところ、先輩のジヨンヒョンに見つかってしまった。

「嫌でも、本当にだいじょ、ったぁ!痛い痛いヒョン痛い!」

俺の腫れた足をかがみこんでじーっと見ていたヒョンがおもむろにぎゅっと足首を握る。
可哀想に激痛を訴える俺の足。

「ほら、大丈夫じゃないだろ?」

「そりゃ貴方が俺の足首握ってるから」

「ん?」

あ、この笑顔はまずい。
これ以上うだうだ言うと足を折られかれない。

「っ、ごめ、ごめんなさい、一人じゃ行けないからジヨンヒョンついてきて下さい」

「だろ?しょうがないなースンリヤはぁ」

さっきよりもさらに楽しそうな笑みでジヨンヒョンが言う。
無理やり言わせたようなものなのにヒドイ

ありがたいことに、保健室は一階だから、階段を上る必要が無い。
こんこん、と2回ノックしてドアを開ける。

「失礼しまーす」

さっと見回しても養護教諭の先生の姿が見えない。
おかしいな

「先生いないのか?」

「みたいですね・・・」

「大方何処かで煙草でも吸ってるんじゃないか?」

「そうかもしれないですね」

苦笑しながら返答する。
ヒョンを見ると、保健室の備品をあさっていた。

「え、ヒョン何してるんです?」

勝手なことすると怒られますよ
ヒョンはこっちを振り返らないまま答える。

「手当てするんだからここのモノ拝借しても怒られないだろ。お前は座ってろ」

「あ、は、はい」

あ、手当てしてくれるつもりなんだ。
ちょっと意外だと思いながら、丸椅子に腰を下ろす。

テーピングと包帯片手にジヨンヒョンが向かいに座る。

「足、上げて」

「こうですか」

「そう、そのまま」

手際良く俺の脚にテーピングをかけていくヒョン。
カッターシャツからのぞく白い腕は意外と細い。

「ジヨンヒョン、手当てとかできるんですね」

「そりゃ出来ないと困るから」

俺の素直な感心にフフッと笑う。
そんな風に優しく笑うとすごく綺麗だなと思う。

こんな風にヒョンの顔をゆっくり見たのって初めてかもしれない。
まつ毛だってすごく長いし、肌はすべすべしてる。

キスしたらどんな反応するかな

何考えてるんだよ、俺。
自分の突拍子もない考えに自分で焦る。
そんな俺の焦りを全く知ることの無いジヨンヒョンは満足げな顔をする。

「はい、出来た」

「ありがとうございます」

「どういたしまして」

時計を見てジヨンヒョンはかったるそうに伸びをする。

「もうサボろうかなぁ、授業あと半分だし」

「優等生がサボっちゃ示しがつきませんよ」

「可愛い後輩を助けてたんだから問題ないさ」

いたずらっ子のように目を細めて笑う。
ちゃっかりしてるよなぁ

「・・・なるほど」

さっさとベッドへ向かうヒョン。
さあ、俺はどうしようかな、と考えていると声をかけられる。

「お前も寝る?」

どうせ教室に帰ってもあまり意味は無い。

「お言葉に甘えて」

「そっか、おいで」

高校生2人で同じベッドって窮屈じゃないですか?
まあ、嬉しいからいいですけどね
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