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□惚気
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「・・・、何これ。」

扉を開ければそこは死屍累々が積み上がる惨状でした。

と、言うわけでもなく、何のことは無い、長年一緒に過ごしてきたメンバーのうちの二人がいるだけ、なんだけどさ。

「スンリなんか知らない」

「べべヒョンー、どうしてそうやって二人っきりのときでもあんまり優しくしてくれないんですかぁー?ひっどいですよぉ」

拗ねたようにそっぽを向くヨンベに半べそで縋りつくスンリ。
顔が赤くて、呂律が回って無いところを見ると、多分すでに二人とも素面では無いだろう。

片頬の筋肉がひきつるのを感じながら目の前の訳の分からない光景を自分なりに整理しようと頑張ってみる。

ええと、そう。
俺は確かたまには一緒に飲まないか、ってヨンベとスンリに提案して、でもちょっと急用が入ってしまったから先に飲み始めておいて、って連絡したんだ。
で、それから、できるだけちゃっちゃと用事を済ませて、誘ったのは俺なのに遅れてくるなんて悪いなーって思ってたんだよ、扉を開けるまでは。

「スンリ、ヨンベ?」

「タッピョン!遅いじゃないですか」

「ああ、ごめん」

とにかくこのまま扉の近くに突っ立ってても仕方が無い。
声をかけると、やけにハイテンションのスンリが大げさにむくれる。
ヨンベは相変わらずそっぽ向いたまま。
状況がますますよく分からなくなってきたから、まずは質問から。

「スンリ、ヨンベはどうしたんだ?喧嘩でもした?」

「違うんですよー。あのね、俺がね、もっと人前でもべたべたしたいって言ったらベベヒョンが怒っちゃって」

・・・ん?
あーちょっと待ってスンリヤ、お兄ちゃん耳がおかしくなったみたい。
だってその言い草だと、お前たち恋人同士みたいじゃないか・・・

俺の困惑などよそに酒の力も加わったスンリの饒舌は止まらない。

「でもね、ベタベタしたいって言ってもね、そんなキスとかじゃなくって、ほら、分かります?こっそりばれないように手をつなぐーとか色々あるじゃないですかー?」

うふふ、と心底楽しそうに笑うスンリを見て目眩がした。
もしかしてコイツ前後も分からないくらいに酔ってんのかな
多分これ以上何を聞いても無駄だろう。
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