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□泡と消える日
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「誰かのことが好きでたまらなくて、
辛くて苦しくて涙を流す時って
いったいどんな気持ちなんでしょうね」
「どうしたの、突然。」
珍しいこと言うね。
「羨ましいなぁって思ったんです。
いいなぁって」
そうなの?
「ヒョンは、今までそういう経験ありましたか?」
「もちろんあるよ。多くは無いけど」
「いいなぁ
そんなに誰かを好きになれるのも
そんなに想われた人も」
「・・・そうかな
その時はすごく辛かったよ?」
「今から見れば綺麗な硝子細工みたいに思えるじゃないですか
美しい思い出になったんですから」
「そのうち分かるよ」
「そのうち、ですか」
ねえ、本当はもう分かってるんじゃないの、お前。
心では分かってるから、頭で否定するんじゃないの?
「ヒョン、そのうち分かったら。
ヒョンのところに泣きつきに行きますから覚悟してて下さい」
「うん、まあ。胸ぐらい貸してあげるよ」
・・・俺のせいで泣いてくれたらいいのになぁ
『泡と消える日』
((俺って弱虫))