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□無条件
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「スンリーもうそろそろで行くからテソナ起こして」

ジヨンとヨンベは寄りたいところがあるとかで先に宿舎を出た。
残りの俺らももうそろそろ出なくちゃういけない。
昨日遅くまで起きていたテソンがまだうとうとしている。

「あ、はい。
てーそーんひょーん、もう出かけますよー!」

スンリに軽くゆすられてテソンは眠そうにうっすら目を開けた。
眠そうな調子で唸ってる。

「ん・・・すんり?」

「そーですよ、早く起きましょう」

「・・・すんりだぁ」

声と姿でやっと認識できたのかスンリと気付いて嬉しそうな顔をするテソン。
絶対俺の前じゃしない顔だよな?
ともやもやしていた次の瞬間。

ちゅ

・・・は?

テソンがスンリの頬にキスをした。
いっつも俺が頼んでもしてくれないのに!

俺が驚きで何も言えないでいると、スンリが顔を赤くして焦り始める。

「・・・!
ちょっ。ちょっと、ひょん
タッピョンもいるんですから悪ふざけは止めてくださいよ」

「悪ふざけじゃないもん」

言うが早いか、テソンがスンリの口を塞ぐ。
もちろん唇で。

あー…もう俺何も言わないでおこう。

「ん・・・てそ・・・ひょ」

やっとのことでスンリがテソンを引きはがす。

「俺はいつだって本気だよー」

さっきとは違う口元だけで笑う笑みでテソンが告げる。

あれー、俺の天使はどこへ行っちゃったの。

「分かりましたから!
もう、起きたんならおれ先行ってますから!」

これ以上ないくらい照れてパニックを起こしたスンリが脱兎のごとく駆けていく。

「あ、・・・置いてかれちゃった」

少しつまらなそうにスンリの後姿を見送ってくるりとテソンが振り返って俺を見る。

「ねぇタッピョン、俺のスンリ可愛いでしょ?」

「・・・・・ノーコメント」

俺的にはお前らセットで可愛いと思う。

「ていうかいつから付き合ってんの?」

「もうそろそろ4カ月です」

こともなげにサラリと言ってのけるテソン。

ちょっと待って、兄さん初耳だけど

「え…何で黙ってたの」

「さあ何ででしょう?」

そう言っていたずらっ子みたいにくすくす笑う。
何でお前たちそんな可愛いの。
本心からそう思ったけど、声には出さずに呆れたふりをする。

『無条件』

(どうせこういうバラし方したかっただけだろうな)

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