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□単純
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「ジヨンヒョンって結構誰とでもスキンシップとりますよね」

リビングで雑誌を呼んでいたら、後ろからスンリの声が飛んできた。
なんだよ急に。

「だって安心するじゃん」

「何が?」

不思議そうに聞いてくるスンリ。
俺だってそんなこと深く考えたことないのに、変な奴。

「なんとなくだよ」

「ふぅん、そうですか。」

一応台詞はそう言っているものの、口調は全く納得していないらしい。

そんなの聞いたって仕方なくないか?

「どうしたんだよ」

「ちょっと妬くなぁって思って。」

「ああ、そんなこと?」

「そんなことって何ですか、
俺は結構本気なのに」

すこしむくれて見せた可愛い末っ子に笑いかける。

やっぱり俺より幼いんだなぁと思いながら。

「…俺から離れないでずっと一緒に居れば好きなだけベタベタできるし
俺も他の人とスキンシップしなくてすむじゃん」

みるみるうちに明るくなる表情に単純すぎて面白くなる。
こんな簡単な解決法でもお子様には思いつかなかった?

「じゃあ俺がジヨンヒョン独占していいってことですね!良かったぁ!」

…え?
俺そんなこと言ってないよな?

いやでも、確かにそうとれなくもないか…?

「え、馬鹿、そういう意味じゃ」

「違うんですか?」

たたみかけるような勢いで聞き返してくるスンリ。
そんな自信満々に言われるとそんな気もしなくもない。

「…違わない」

のか?

「ほら、やっぱりそうだ!」

自分の都合のいいように解釈するのは得意だったな、お前。

『単純』

(そういうことにしておいてやるよ)

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