ヨンベ、ねぇ俺のヨンベ!

「何?」

ふざけてみても、表情からは親愛しか感じられない。だけどあんまり関係ない。そういうところだって俺は大好きだしさ。

そうそう、そんなことより、今日は大事な用事があるんだった。何だと思う?


「わからない」

もー当てる気無いんじゃん。ほんとは分かってるの知ってるんだよ、俺。

俺よりもずっと男らしくって体格の良いヨンベに抱きつく。触ってみるとたくましさが実感として伝わってきて、ため息が出る。何でそんな魅力的なワケ?

腰に回した腕を、今度は首に巻き付ける。ねえねえもっと構ってよ。

そっと背中に回された腕。
もっと力込めていいよ、へし折っちゃってよ俺のこと。

「で、どうしたんだ」

あ、忘れるところだった。

俺ね、ヨンベに、プレゼント持ってきた。

「この前もらったばかりじゃなかったか?」

いいじゃん、俺の好意。気にしないで。

ヨンベに似合うような指輪買ってきたんだ。プラチナの指輪。スマートでシンプルなデザインだから、きっと気に入るよ。

でも肌身離さず付けなくてもいいけど、俺に会うときだけでも付けてて。これ、約束。

「ありがと、大切にする」

うんその言葉が聞きたかった。

ヨンベの首を見ると、俺が以前贈ったネックレスがかかっている。これもシルバーの繊細でシンプルなデザイン。

そりゃあ、ヨンベだしもっと重厚でジャラジャラしたものでも素敵だけど、それはやっぱり重いデショ?実際。

だから、俺は軽い物を選ぶ。

ゆっくり、ゆっくり、染み込んでいけばいい。彼が自覚してない、今とはもっと別の俺の価値が。

「ヨンベ、俺のこと大事?」

「当たり前だろ?ジヨン」

嬉しいなぁ、

そうやって、少しずつ俺に染め上げられていくんだろうね。

『手のひらのうえ』
(さあ踊って見せて)


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