Mini!

*小ネタonlyに改変しました!
◆トリニョン 


「お前は誰?」

「はい?」

はぁ?頭打った?ジヨンヒョン。そんなこと言うなんていつもに増しておかしいんじゃないの。

なーんにも分からない俺相手にジヨンヒョンはまくし立てるように言葉を続ける。

「スンリか?ヴイアイか?イスンヒョンか?」

「ヒョン、どうしたんですか」

気でも狂いましたか。

それでもジヨンヒョンはすがるような目で俺を見る。なぁに、どうかしたんですか。

「答えてよ」

「あなたの好きなものでいいですよ」

「それじゃ俺が満足しない」

「どうして」

「だって、スンリ=ヴイアイ=イスンヒョンじゃないじゃん。俺を愛してくれるのはどれで誰なの」

名前が違う以上指すものが違うとでも言うんですか。

きっと俺には分からないような難しいこと考えてたんだろうなぁ。考え始めると訳分かんなくなるような事を考えるのが好きなこの兄は時々そうやって俺を困らせる。

「そうですねぇ、じゃあ俺はロミオになりましょうか」

「どういう意味?」

「やだなぁ、ジヨンヒョン。ゆっくり自分で考えてみてください」

あなたはただ一言、俺の事を恋人と呼んでくれればいいんです。


(バラという花に他の名前を付けたってその香りが変わらぬように)

2013/10/14(Mon) 17:16 

◆no title 


「ヒョン、お風呂の準備出来たから早く入っちゃって下さいね」

「んー、もうちょっと待って」

さっきからずーっとゴロゴロしているヒョンに声をかける。
いつもそうやってそのまま寝ちゃってるの誰が運んでると思ってるんですか。

「ヒョンはまたそうやってわがまま言って…」

「だって」

子供みたいな言い訳を始めようとするヒョンを遮る。

「だってじゃないです、そんなこと言ってたらオレが先に入りますよ」

不服気な顔で見上げられても困ります。
目が丸く見えて子犬みたいだ。

どうしようか考えるようなぼんやりした目をしていたヒョンが唐突に言う。

「じゃあテソンと入ればいい?」

小首をかしげて訊いてくるヒョン。

「え?」

急な提案に戸惑っているとヒョンはすっと立ち上がって俺の手を引く。

「テソンと入ろう」

「えぇっちょっと」

俺はいいなんて言ってないのにどうして断定形なんですか。
大人二人であのサイズには無理があります。

とか色んな事が言いたかったけど、早足で俺をバスルームに引っ張っていくヒョンに引きずられないようにするだけで精一杯だった。

「俺とヒョンのふたりぐらし」

言いだしたら聞かないのが彼の基本

2013/08/01(Thu) 07:22 

◆no title 


「テソン、テソン」

母に甘える子供のようなそおっと背に回る腕。
俺にそっと体重を預けてくるヒョンの顔は幸せそのものなのだ。

「テソン、今日のご飯何?」

「うん?」

ああ、何も考えてなかったなぁ。
どうしようか。

冷蔵庫の中身を思い出しながら、今晩のメニューを考える。

「そうですねぇ、タプヒョンは何が食べたいですか?」

「テソンが作ってくれるなら何でもいいよ」

「そう言ってもらえると、嬉しいです」

俺そんなに料理上手じゃないのに、そうやって褒めてくれるからついつい頑張ってしまう。
甘えるように擦りよってきたタプヒョンの頭をよしよしと撫でる。
柔らかくて手触りのよい髪。

「少し、髪伸びました?」

「そうかなぁ」

でも少し前髪が目にかかりかけている。
やっぱり伸びてるんだな。

タプヒョンの手がマネをするように俺の頭に乗る。
何も考えていないみたいに動くから髪がぐしゃぐしゃになってしまった。

「ヒョン〜止めてくださいよ」

「フフフ、ぼさぼさだ」

「もー…ヒョンってば…」

可愛げがあるところが憎めない。
こんな人だから少々の我儘も赦しちゃうんだろうな。

『ヒョンと僕の二人暮らし』

2013/07/29(Mon) 20:31 

◆人外びっべん12 

「…っ、」

痛い痛い。
治りが遅い。
ジヨニヒョンのアホ。
よくも思いっきりやってくれたな。

ベッドのシーツを握るから、またぐしゃぐしゃになっていく。
眉をひそめて歯を食いしばっても痛みがなかなか逃がせない。

つまり集中が削がれる。
それで治りが遅くなる。
痛みが続くからまた集中できないっていう悪循環。

「…は、ぁ」

嫌な汗が背中に伝う。
ああ、くそ。

「すーんり」

「あ、…?」

暗くてよく見えないけど、この声はタプヒョンだ。

悪いけど、ヒョンのおもりはしてられない。

「大丈夫?」

「っ、う。」

大丈夫に見えるんだったらその目くりぬいてやるよ。
さらに集中できないから放っておいてくれよ。

「かなり痛そう」

すっと近づいてきたヒョンの意を察して慌てる。

「ちょ、触んな、で」

無情にもヒョンの手が傷口を圧する。のたうちまわればもっとひどい目にあうのは目に見えてるから唸ることしかできない。

「、やめ、っぅ゛」

「重傷そうだね」

手が離れて、肩で息をする。
こんな状況じゃなきゃ殴りに行ってやるのに。

「じゃ、今日は特別大サービスってことで」

え、ちょっと待ってよ
何で俺の服まくりあげて…
ヒョンの口が開いたのを見て絶望する。

「待って!ほんとに、俺、コレ以上、」




がぷり




刺さったはずの牙の痛みが無い。
それどころか傷口の痛みもない。

「ヒョン…?」

「麻酔」

「え」

「俺の毒」

「最初からそう言ってくれれば暴れなかったのに…」

無駄に疲れたじゃないですか。

「面白かったし」

「こっちは痛くて気絶しそうだったのに」

「ごめんごめん。全身に回る前には治せるとおもうから」

「…ありがとう、ございます」

「じゃ」

「あ、はい」

呆気にとられている暇もない。
とっとと治さないと。

ジヨンヒョンの差し金だろうか。


<スンリは死ねない>●●

2013/07/17(Wed) 20:18 

◆人外びっべん11 

(カニバリズム注意!

カニバリズム注意!

グロ注意!)






「…、っあ、痛、っく」

「痛い?痛いよね?」

ああ、ジヨンヒョン。
分かってて面白がってるんだよね?

わき腹の傷口からだらだらと流れ出る血液と、ヒョンの口の周りの赤は同じ色だ。
俺にも痛覚くらいあるって言ったの、忘れたんだろうか。

「もういいですか、いい加減にし…っひ、あ゛ぅ゛」

ご丁寧にさっき噛みちぎったところと同じところを舐めて、噛まれる。
ただでさえ痛いのに、新たな刺激は数倍になって俺を襲う。

流石に耐えられなくなってジヨンヒョンの頭を離そうとするけど、捕まえられている反対のわき腹あたりに爪が刺さって抵抗するのをやめた。
今日はいつも以上にしつこい。

「また治るじゃん」

「治るけど、痛いって言ってるでしょ」

「じゃあ、死んだら痛くない?」

「死ねないからこうなってるの分かってますよね?」

「ああ…そっか」

なんですかその残念そうなリアクション。
本当に痛いもんは痛いんですって。

「でもスンリドエムだから」

大丈夫でしょ?って大丈夫じゃないです。

「違います」

「どうでもいいけど、もうちょっとだけ。」

「え、ちょ、今日はもう勘弁」

『ご飯の時間』

「ヒョンの馬鹿…」

「…ごめん、やりすぎた」

ヒョンが雑にするから再生するのしんどいんですから!痛いんですから!

2013/07/16(Tue) 22:45 

◆スンジヨ? 

「何でお前なんかに惚れたんだろ」

「俺に聞かないでください」

ああうん、そりゃそうだろう。
本人に聞いたところで分かるはずがない。
答えが返ってくるなんて期待も最初からしてない。
ならどうして尋ねたのか、それは単純。

「なんとなく」

「…そうですよね」

俺の結構ヒドイと自覚しているモノ言いにすらめげないってなかなかすごいと思う。
多分それは俺が本気で言ってないって知ってるからこそだろう。

「なぁ、スンリ」

「はい」

「俺のことどのくらい分かってる自信ある?」

「……そーですね」

うーん、と考えるポーズをとって上に視線を泳がせるスンリ。
あ、と何か思いついた表情をしてから満面の笑みで俺に言い放つ。

「ジヨニヒョン以上に分かってると思います」

大した自信だな。

「本当に?」

「はい」

遠慮するところは無駄に遠慮するくせにこういうところでは変にずうずうしいんだ。
大体そういう時って俺関連だったかもしれない。
俺お前のそういうところ好きかもしれない。

『好み』

(俺の敬愛するヒョンは特別扱いがお好き)

2013/07/05(Fri) 23:12 

◆トリタプ? 


「ヒョン」

ねぇ、ヒョン。

と伸ばされた腕を振り払えないで受け入れてしまうのはいつだって不可抗力だ。
その伸ばされた綺麗な指先は俺の肌に食い込んで掻きむしって傷つけるためにあるって知ってる。

知ってるのに。

「スンリヤ」

俺も同じ様に手を伸ばす。
対になるように同じ手を。

「タッピョン、好きです、愛してます。」

全然可愛くない愛の告白。
何度聞き流したか分からない。
何でそうしつこく言うのと問えば彼はきっとまたわざとらしく笑って答えるんだろう。

「これだけ言ってもまだあなたを縛れないから」

十分がんじがらめだっていうのに、ずいぶん酷いじゃないか。
幾重に鎖を巻きつけて、重い重いおもりをつけて俺を海にでも放り投げて沈める気なのか。

「俺をぐるぐる巻きにして何が楽しいの」

「違いますよ」

「何が」

「貴方と、俺が、がんじがらめになるんです」

ああ、そういうこと

『運命共同体』

(一緒に沈みたいんです)

2013/07/05(Fri) 23:04 

◆人外びっべん10 

こーんなきれいな整った顔してるのになぁ
どうして人間じゃないんだろうね

人間だったら、そうだな、人間だったら綺麗なお嫁さんもらって、子供も2人くらいいるのかな。

人間でないタプヒョンの顔をまじまじと見つめながらぼーっと思う。
ぐっすり眠っているヒョンの顔は作り物みたい。

ふと呼吸をしているのか疑いそうになったけど静かに上下する胸を見てちょっとほっとする。

まつ毛長いなぁ、唇綺麗だなぁ

ちょっと興味がわいて、唇をつついてみる。
ふに、と柔らかい感触が楽しい。
もう少し押してみると程よい弾力が俺の指を押し返す。

「ん…」

あ、ちょっとヒョンがうなってる。
口元をもごもご動かして、唇が開いて、

俺の指を捕えた。

「え…」

ガリッと嫌な音がしてヒョンの普通の人よりすこーしだけとがった犬歯が俺の指に突き刺さる。

「っう!!!!」

指を抜こうにもがっちりと俺の指を捕えて外れない。
ああ痛い、血が出てる。
下手に暴れれば食いちぎられる。

「ヒョン!起きてよ!」

痛いから!早く!

「ん?」

ヒョンの目が眠そうに開いて、俺の指にかかる力が弱まってやっと抜けた。

「…ヒョン、痛いです」

「俺何かした?」

「じゃあ、口の周り血だらけなのは何でですか」

「アレ?夢じゃなかったの?」

「夢って何の話ですか?」

「スンリをムシャムシャ食べる夢」

「正夢になりかけました」

「あー…ごめん」

俺がヒョンの唇つっついてたのが悪いことを棚に上げてタプヒョンを責める。


ちょっと申し訳なさそうにしてるヒョンにけろっとした調子で言葉をつなぐ。

「ヒョンは人間じゃないですからね」

「え、うん。そうだよ?」

『人間』

(そうじゃないほうが幸せだもんね)

2013/06/07(Fri) 19:51 

◆人外びっべん9 


時間軸的にちょっと前

ヒョンに遊んで!と言われたけど、正直生きて帰れるかが心配になってくる

「ヨンベヒョーン…あんまり暴走しすぎないでくださいよ?」

「何で?」

早く発散したくてうずうずしているヒョンになだめるように声をかける。

「俺まで暴走しかねませんし」

「テソンは俺よりコントロール上手いし大丈夫だろ?」

そんな不思議そうな顔しないでください。

「……あなたの挑発が上手いから問題なんですよ」

分かりますか?あっちへこっちへ飛び跳ねまわり、翻弄しまくってるんですよ?

「ベベヒョンは知らないと思いますけど、そっちになると貴方相当性質悪いんです」

「それはしょうがないから諦めて」

ズバッと言い切られ肩を落とす。

「…ですよね」

「で、もういい?」

「…どーぞ」

あー、もう尻尾と耳が出ちゃってるよ…
これはこっちも構えておかないと危ないね

2013/06/07(Fri) 19:04 

◆人外びっべん8 


「すんりィーお腹空いた」

擦りよってくるジヨンヒョンを適当にあしらい俺はコーヒーを飲む。
しまった、ミルク入れ忘れた。

「そうですか、じゃあ冷蔵庫探せば何かあると思いますよ」

「そうじゃない。分かってて意地悪してる?」

はい、当然です。
とは言わずに横目でジヨンヒョンをちら、と見る。
この人も面倒な時に…。

「いいでしょ?」

ツンツンとわき腹をつつかれため息をつく。

だいたいねえ

「イヤって言ったら怒るじゃないですか」

「だってスンリしか頼めないんだからしょうがないだろ」

「タッピョン辺りに頼めば喜んでオッケーしますよ?」

「やだよ、美味しくないから」

「好き嫌い言うんですか」

我儘め。
この前お腹が膨れればいいって言ってたの知ってますよ。

「スンリが一番美味しいの!」

「一番美味しいのは普通のって言ってたじゃないですか」

とんでもないことをしゃあしゃあと吐く口元は綺麗な弧を描く。
綺麗なものほどおかしいんだろうか。

「でも、バレたら怒られるからさ」

そうなったらスンリも面倒でしょ?

…いやまあ、そうですけど。

そりゃ俺は死にませんし、いくらでもなんとでもなりますけど
痛覚もはっきりあるんですから痛いんですよ。

2013/06/03(Mon) 19:52 

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