ペルソナ零 The・Spirits

□2.
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その翌日。
空はいつもより暗く、大粒の雨を降らせていた。

放課後は約束通り樹と資料整理をして。



「こっちにですか?」

「あ、うん!そっちにお願い」



手いっぱいに抱えている資料を生徒会室に移動させるが。



「…はぁ、疲れたぁ」


手は赤くなってヒリヒリする。




「大丈夫?…無理に持たさせてごめん」


「いや、手伝うって言ったのは私だし」



しかし、樹は心配そうに私の手のひらを見ていた。


「ちょっと休憩しようか」


「え?いいんですか?」


「大丈夫!この時間で半分以上終わってるんだ。心配ないよ」



生徒会室の時計に振り向くと針はもう6時を回っていた。



樹は資料をドサッと折りたたみ式の机に置くとそばにあった椅子に腰をかけた。

真剣な顔をして窓の向こうを見ると

「・・・そろそろか」


その声ははっきりとは聞こえていなかったが確かに自分の耳に届いている。

暗くさっきの彼とは思えない低いトーン。



「そろそろって・・・?」


自分も窓の向こうを見てみたが何があるのか分からなかった。

聞こえてしまったのかと慌てるように樹は


「なんでもないよ!」



・・・でも明かに何かを隠している。



彼の瞳がゆらゆらとあちこちを向き動揺を隠せていなかった。



何かあってからでは遅いと行動に出る。



「あの!!さっきか――・・・」



さっきから何隠してるんですかと問いかけようかと思っていたが




ドーーーーンッッ




床は大きく揺れ、思わず足は竦み転んでしまった。



「きゃ!!」



そばにいた樹は凛の体を守るかのように素早く覆う。





「・・・一体・・・・何がッ・・・・」


ドーンドーンと揺れは大きくなっていく。





「来たか・・・」


やはり声のトーンは低く今までの樹とは全く異なる人格が自分を覆っている。






しかしそう思ったのもつかの間。






彼が発した一言に凛は仰天する。






「シャドウが・・・こっちに来るッッ」






「え・・・・?」
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