ペルソナ零 The・Spirits
□2.
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「シャドウ・・・・・??」
机の上に置いてあった資料は揺れの影響で崩れてひらひらと舞っている。
しばらく揺れは落ち着かない。
しかし
ガオォォォーーーーーッッ
怪物の様な悲鳴が廊下じゅうに鳴り響いた。
しかし樹は黙ったまま何も答えず悲鳴の聞こえた廊下をただただ睨んでいた。
「ちょっと答えてください!!」
自分だけ状況がつかめていない。
何で彼は教えてくれないのか。
「・・・・揺れが治まった。こっちだ」
立てと言わんばかりに手を強引にひっぱられ
生徒会室から出る。
「グラウンドに逃げる」
「待って下さい」
強引にひっぱられた腕を放して欲しかった。
「話す暇はない」
「待って下さい」
自分の状況が知りたかった。
「敵はもう近くにいる」
「待ってください!!」
腕をブンッと大きく振って樹の腕を振り払った。
樹は意外そうな顔をして凛を見つめる。
「シャドウって何ですかッ?どうして怪物みたいな悲鳴が聞こえてくるんですかッ!頭がおかしくなりそうなことばかりで全然ッッ・・・」
しかし樹は
「まだそれは言えない。だから今は逃げることだけ考えて欲しい」
初めて会った樹じゃない。
にこにこ笑顔の優しい男子は――・・・
真剣な瞳と固い表情は危機感を伝えている。
2人はそのままグラウンドへとつながる廊下を駆け抜けていく。