ペルソナ零 The・Spirits

□3.
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「何故…人間とはこのように醜いものばかりなのでしょう」

一面紅い景色の薄暗い廊下。
それは神条学園の片隅で行われている事件。

「ヒィィ…」
1人の警備員は床に這いつくばって逃げようとする。

…が、


「私はキレイなものが好き。だけど人間って…」


月明かりに照らされている"見覚えのある制服の少女"は銃を警備員に構え、



「汚らわしくて大嫌い」


鈍い鉄と鉄が摩り合う音がなるとさっきまで逃げようとしていた警備員はピタッと動かなくなる。



「でも…」


警備員の周りには鮮やかに紅いものが広がる。
それを踏みしめ少女は


「貴方だけは…例外ですよ…修」


どこかへ去って行った。











「ここぐらいか」

グラウンドの周りには大量に木が生い茂っている。
腕をひっぱられたまま強引に走り
その一角に隠れると

「状況説明・・・だっけ」

安全だなとその場に座り込む樹は
とドッとため息を吐いた。



「これから襲ってくるのは・・・単なる怪物なんかじゃない」



「単なる怪物じゃ・・ない?」




「そう。勝手ながらうちのバカ理事長のちょっとした"勘"に協力してほしかった」




「協力ってどんな?」




「これから見てれば分かるさ」



木に腰掛ける樹は急に立ち上がると
グラウンドの方へ瞳を向ける。




「え・・・ちょっと!まさか!」




「はぁ・・・あんたはそこで見てるんだな。足手まといはいらないから」



来た道をまた戻るように彼はグラウンドの中央へと走り去っていく。


今の今までの彼はこんなに口調悪くなかったのに。




「(あんたはそこで見てるんだなってどこの王様だ!)」




グラウンドの中央に立つ樹は何かを待ちわびていた。

陽が沈んで辺りが暗くなるだけではない。




――・・・・全てが影に包まれたこの地で



グラウンド中に響く大きな振動と足音。


・・・そして



「イラナイ・・・イラナイ・・・イラナイノ♪」


二重、三重に聞こえる声。

その次に


シャリンシャリン・・・と鈴の音が鳴り響く。





「アラ・・・?オキャクサマ・・・・オモテナシ・・・オモテナシシナクチャ・・・・ウフフフフッッ」



しかし姿形は見えない。
辺りのどこから聞こえている声なのかも分からず私は四方八方見渡す。



だが樹はただ正面しか見ていなかった。





彼はゆっくりと目を閉じて


見えない何者かの声を聴く



そして・・・




樹の周りに魔方陣の様な模様が浮かび上がり
青い光がそれを纏う。




「カルナッッ」



彼がその言葉を叫んだとき


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!」


さっきまで見えていなかった鈴の形に大きな仮面のようなものをつけた物体が急に現れ、青い光に飲み込まれて消滅していった。

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