ペルソナ零 The・Spirits
□5.
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おぉー…い…………おぉ……い
おき………ってばッッッ!!
誰かの声がする…
あのー………生きてま……かッッッ!!
また重たい瞼を開いて。
見た景色は白い天井に蛍光灯。
よくみれば棚が横にあったり。
学校の保健室だった。
「おぉーい?生きてるかぁー?」
「うるさい。この単細胞」
「単細胞ってさ、先輩に向かってよく言えるな!!」
「尊敬できない先輩に単細胞と教えて差し上げるのは果たして…間違っていることですか?」
自分から見て左側に茶髪の男子生徒が立っていて、
右側には本を持った長髪の少女が椅子に座っていた。
片方は、
「俺は敬うソンザイだろ」
もう片方は、
「だから教えて差し上げるのはと敬う形で話してるじゃないですか。敬ってなかったら教えてやったって言う所です」
「…あの……」
なんか気まずいからと思って声をだしたら…
「「あ…見られた/見られてしまった」」
と声を揃えてこちらを見つめてびっくりしている。
*
「んで。お前、名前は?」
私が寝ていたベッドの端に座っていたが
「レディーに名前を尋ねるときはきちんと自分から名乗りなさい」
逆側の少女が持っていた本の角を少年の頭にゴツッと置くと、少年は当たった頭の角を両手で押さえて少女に怒鳴る。
「んだよッ!!いてーじゃねぇかッ!!」
「あなた、よくそれで先輩を敬えなんて言えますね。初めて見ました。そんな人」
再度、本を少年の頭に当てようと本を構えると
「分かったからッ!!俺、早瀬翔太って言います!!そっちの本読んでるのが伊波結愛。俺は二年で、あいつは一年」
「あ、こちらこそ…私は…」
「綾崎凛さん。ですよね?」
結愛という少女が私の言葉よりも先に言ってしまった。
「初めまして。高等部一年、伊波結愛です。先輩のお名前は始めから知っていたのですが…」
結愛が横目で翔太を睨むと、
「誰かさんが凛先輩の名前を忘れてしまったらしく…こうやって誰かさんも失礼を謝り育っていくかと思うと…何だか胸が…誰かさんのせいで…」
「誰かさん誰かさんって明らかに俺だろ!!」
「あら、分かったんですか。賢くなりましたね。餌、いります?」
「生憎さま、俺ペットじゃないからッ…」
「あ、凛先輩は…「人の話聞けよッッッ!!」
「いつまで騒いでるんだよ、ガキ」
保健室のドアがゆっくり開くとそこには樹と、もう1人いた。
見た目は20後半ぐらいの人で黒色のスーツをしっかりと着こなしている。髪もそこまで長くなく樹と同じぐらいだから、
きっとお兄さん辺りの人なのかな…
「あら、ダサ男」
「おぉ、ダサ男じゃん」
「二人揃って仲良しこよしだな。ガキ」
制服でほとんど見えていないのだが首まで包帯が巻かれ、顔にもいくつか絆創膏があった。
「全治なんと1ヶ月。ダサ男やるねぇ」
樹と一緒に入ってきた男とこの人も樹の体をつんつん肘でつついたりしていた。
「…あのー…あなたは?」
問いかけると代わりに結愛が教えてくれた。
「…理事長です。この学校の」
「…は? 」
思わず聞き返してしまった。
見た目は?お兄さんじゃないの?
「だから理事長だって」
翔太も呆れたようにこっちを見てくる。
「えぇーッッッ!!」