TOW3(エンディング後のSTORY)

□伝説の戦い
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「セレスの怪我」


医務室ではナナリーが何か悩んでいた。


ナナリー
(おかしい…怪我も酷くて火傷も凄かったのに…包帯を替えようと思って包帯を取れば…怪我のケの文字も出ない位綺麗だった…でも骨折は治ってない…なんで…?アンジュの言ってたマーテルとか言うディセンダーの力がやっぱり眠ってるって事なの?…セレス…段々別人になってきてるかも知れない…アンジュに言うべきか?…いや…マーテルの事を知ってるセルシウスに言うべき?分からない…どうすれば良いんだい?嬉しいけど…でもこんな治りの早さはおかしい…)


アニー
「ナナリーさん…?どうしたんですか?」


ナナリー
「あぁ…あぁ。アニーか…ごめん…ちょっと考え事」

アニー
「…セレスさんですか?」


ナナリー



アニー
「確かに…ちょっとおかしいですよね。サレの時に負った大怪我より…今回の怪我はもっと酷いものだったのに。いくらなんでも怪我の治りが早すぎる。」


ナナリー
「あぁ…おかしい…セレスじゃなくなって来たのかな…」


アニー
「分かりません…骨折は治ってなかったみたいですけど…」


ナナリー
「そう。そこなんだよ。未だに右の腕を動かしたら飛び上がるんだよ?」


アニー
「…もしかしたら…演技…?」


ナナリー
「それはないね。セレスは正直者だから、痛いと思う。だいたいあの娘は嘘はつけないと思うし」


アニー
「そう…ですよね。ごめんなさい…変な事言いました」


ナナリー
「いや…一度セルシウスに言うべきかな」


アニー
「はい…マーテルさんの力を受け継いでいたら…今回の怪我の治りが分かるかも知れません…それに…完全なるディセンダーの事も」

ナナリー
「聞きに行くか」


アニー
「はい」


甲板では。


セレス
「ふっ…はっ…やぁ


セレス
「体のバランスが取れない…利き腕が使えないとこうも不便なのね」


キィィィン


セレス
「ぐっ…なに…?」


『マーテル。私の技を使えないの?』


セレス
「えっ…?私は…マーテル…っ」


セレスは気を失った。そして目が覚めると。


セレス
「ん……?」


ブラン
「マーテル。私とあなたは一人で一つの存在よ?この技も使えるでしょう?」


マーテル
「あなたの攻撃の属性は全部闇だから私は使えないの。」


ブラン
「嘘つけ。」


マーテル
「本当よ第一あなただって私の使う技使えないでしょ?」


セルシウス
「マーテル様とブラン様は仲が悪いのですか?」


マーテル
「えっ?そんな事はないけど…」


セレス
(あれ…は……私と同じ顔…?違う…あの姿が…本来の私…?ブランの武器は…ダークディアン…?凄く禍々しい…でもマーテルみたいに暖かい…)


マーテル
「無理よ。試しにやって見ましょうか?あなたの技」

ブラン
「うん。」


マーテル
「魔神無瑩蹴」スカッ


ブラン
「…あら…?」


マーテル
「無理よ。私は闇の力は持ってないもの。一つの存在だったら造作もないかも知れないけど」


ブラン
「そうね。…でも魔神滅照角は使えるでしょ?あれは…闇属性じゃないのか」


マーテル
「あの技は属性の変わる技だからね。」


セレス
(魔神無瑩蹴…?魔神滅照角…?…私も使えるかな…)


マーテル
「セルシウスは獅吼爆砕陣を使いこなしてるね」ナデナデ


セルシウス
「えへへ…」


ブラン
「ここまで感情の分かりやすい精霊も珍しいわね」


マーテル
「そういえば。そうだね…でも可愛いらしくて良いんじゃない?」


ブラン
「そうだね。後は今練習中の凍刃十連撃だけか。頑張るんだよ?」


セルシウス
「はい


セレス
(あれが…昔のセルシウス?)


キィィィン


セレス
(ぐっ……)グラァ


セレスは再び意識を失った。


甲板


『す』


『……レス』


『セレス


セレス
「……ん?」ピキィ


セレス
「いった


カノンノ
「大丈夫


セレス
「うん…うぅ…」


カノンノ
「びっくりしたよ。右腕が下敷きになったまま…ってもしかしてそれが原因で意識なかったの?」


セレス
「えっ…?違う…急に頭痛がしてそれで意識を失ったの」


カノンノ
「頭痛大丈夫なの


セレス
「うん。もう平気だよ」


カノンノ
「良かったぁ…」


セレス
「カノンノ…」


カノンノ
「ん?」


セレス
「好き」


カノンノ
「えっそんな急に///」

セレス
「……私が仮に別人になっても好きでいられるかな」

カノンノ
……セレス…?…マーテルさんになっちゃうって事…?」


セレス
「頭痛」


カノンノ
「?」


セレス
「ただの頭痛じゃなかった」

カノンノ
「えっ…?」


セレスは有りのままを話した。それを聞いていたセルシウスは


セルシウス
「どうやら二人の過去に行ったみたいね。…私の事は見てないよね?」


セレス
「…いや…顔を赤面してたな。」


セルシウス
「セレスあれは昔の私で


セレス
「撫で撫でされてたね?」


セルシウス
「うぅ…」


セレス
「昔のセルシウス可愛かったね。今も可愛いけど」


セルシウス
「」ボン


カノンノ
「あれ…?一気に真っ赤になって湯気が出てる。」


セレス
「撫で撫でして欲しいのかな?」


セルシウス
「」


セルシウス
「バカか


セレス
「ほーら。」ナデナデ


セルシウス
(く…屈辱的だ…くそ…でも…マーテル様に撫でてもらってるみたいで安心するな…)


セレス
「どうした?身を預けて」


セルシウス
「はっ…やめろ


セレスを押し退けた。だが当たりどころが悪かったのかかなり涙目になっていた。


セレス
「…いっ…」


カノンノ
「セレス?泣いてるの?」


セレス
「痛いんだよ


セルシウス
「ごめん


セレス
「っ」


2つの影が見ていた。ナナリーとアニーだ


ナナリー
「…やはりマーテルに近付いてるって事になるね」


アニー
「そんな…私達の知ってるセレスは…?」


ナナリー
「…いや…多分大丈夫だよ。あいつを見てみな。」


アニー
「…カノンノと仲良くしてるだけですけど」


ナナリー
「そう。マーテルにはなってないんだよ。きっと力を引き継いだ。私はそう思うけど」


アニー
「そっか…良かった…私達の知ってるセレスじゃないのかと思ってた…はぁ…良かったぁ」


アニーは腰の力が抜けた。

アニー
「あ…あれ…?腰に力が入らない…」


ナナリー
「あんたも相当滅入ってたんだね。仕方ないさ。休んできな」


アニー
「あの…立てないです」


ナナリー
「あぁ…ごめん。私の肩に捕まれ。」


アニー
「はい。」


セレスはマーテルじゃない。セルシウスもそう確信していた。






「夢の中での初対面」
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