HTF
□してはいけない
1ページ/5ページ
ペチュニアちゃんとギグルスちゃんがケーキをたくさん焼いてくれたんでみんなにくれるらしいんだ!!
ケーキって僕大好きだよ。甘くてふんわりしてて、見た目もきれいで―――
まるで小さな宝物みたいじゃない?
あぁ、楽しみだなぁ。待ち遠しいよー
――ピーンポーン
インターホンの音だ!
きっとペチュニアちゃんとギグルスちゃんに違いない!!
僕はあわててドアを開けた。
「こんにちは、ナッティくん。待たせてごめんね?これがケーキよ」
そう言ってペチュニアちゃんが箱を差し出してきた。
僕はせっかくあいさつしてくれたにもかかわらず、箱を開け始めた。
だってさ、一分一秒でも早くいとしのケーキちゃんを見たいんだもん。
「うわぁ!!」
箱の中にはピンクのアイシングがかかってて、イチゴがきれいに並べられているカップケーキが入っていた。
アザランはまるで本物の銀のようにきらきら光ってるし、イチゴの甘い香りが僕を優しく包み込んでくれた。
「お、おいしそう!いただきまーすっ!!」
周りの事など関係なくそのケーキを頬張る。
口の中にイチゴの甘みと優しい酸味が広がった。その瞬間、僕は理性を完全に失ってしまった。
あぁ、目の前にピンクと青のシュガー人形が見える。
食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたいっ!!
「これもいただきまーす!!」
そう言って僕はまずピンクのシュガー人形の頭にかぶりつく。
甘い。少なくとも僕はそう感じた。
引きちぎると赤い液体が飛び散った。イチゴソースか何かだろうと思ってそれをなめた。
「いっ、いやああああああああっ!!」
横で悲鳴が上がったけどそれもよく分からない。
悲鳴など無視して蒼いシュガー人形にもかぶりついた。
後に残ったのは真っ赤な液体と食べきれなかった“シュガー人形”の残骸だけだった。