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□蒼の孤独(下)
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彼はやはり、失踪した人同じく崖の上で一人ただただ町を眺めていた。

崖にいるという報告がスプレンドントからあったにもかかわらず、今まで来れなかったのはここはあまりにも危険だったから。
野生の動物が現れるという。それに、この崖では失踪事件もあったと聞いている。

誰もここへくる者などいない。

あの日と、今を除いて・・・

「何だい?私に何か、用でもあるのかい?」

こんな僕に、ギグルスみたいな女の子が。

自嘲気味に、感情もなく言った言葉が小さく聞こえる。

「スプレンディド・・・本当にあなたなの・・・?」

この変わりようは何なのだろう?

いつも綺麗に整っていた服も髪も薄汚れている。
表情は無く、ただただ淀んだ光の無い目でこちらを見ていた。

「お願い・・・帰って来て」

声が詰まってなかなか言葉にならない。
これを言うのが精いっぱいだった。しかし

「帰ってくれ」

その言葉は彼の心には届かなかった。
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