HTF
□二つ星
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今日こそはあれを盗んでやろう。
町の中央の一番大きな宝石店。その中でもとりわけカネになる時価1億ともいわれるネックレスがある。
俺たちの最近の狙いはそのネックレスだ。
「兄貴、今回はどんな作戦で行くんだ?この前失敗したから最近はあのスプレンディドがパトロールの中でも特に重点置いてるって話だ。相当きついだろうに」
なにか考えでもあるのか?兄貴。
と、リフティが訝しげに聞いてきた。
ちぇっ、こいつ信用してないな…。
「聞いて驚くなよ!?俺らが前に失敗した時、クリプトナッツ、あれで一度スプレンディドを倒せたろ」
「あぁ、そうだな。でもあれ確か砕けたじゃん」
そりゃそうだ。あのときはスプレンディド倒せたが俺らも死んだしクリプトナッツ自体スプレンディドの手によって粉砕された。
しかし、だな。
「なんと、その粉。集めてきたんだぜ?」
そう、俺は生き返ったのちにクリプトナッツの粉を集めてきた。まぁ、何となく異彩放ってる感じはあるから分かりやすいんだよ。
「でも、全部あるわけじゃないだろ?」
「それはだな、同じ色のガラスを粉々にして加えたんだ。そもそもクリプトナッツの力ですこしでも弱ればあいつを傷つけることなんてわけないからな。どうだ、驚いたか!?」
さすが俺様。今回これを脅しに使えば、少なくとも脅しくらいにはなる。逃げてしまえばこっちのもんだ。
「確かに、いつもに無く冴えてんじゃん」
「リフ、いつもに無くは余計だっつーの」
俺は癪にさわったからリフの頭を思いっきり殴ってやった。