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□恋心?
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だいぶ暗くなって電灯の付いた道を一人先ほどの事を考えながら帰っている途中、モールさんに出会った。
「そこにいるのはフレイキーさんですね、こんばんは」
「(モールさん?!なんで私が分かったの???)こ、こんばんは」
「どうなされましたか?なにやら考え事をしていたようでしたが。悩み事ならご相談に乗りますよ」
モールさん・・・なんでわかるんだろう。
そんな雰囲気でも出てたのかな・・・?
「い、いえ、何でも無いです。お気遣いありがとうございます」
私がそう言うと彼は優しくこう言った。
「私は、日ごろのあなたの様子を人から聞いて、貴女が好きという感情についてまだよくわかってないように思います。」
「それを恋と分かっていないだけで、意外ともう好きな人が見つかっているのかもしれませんよ」
「え、な、なんでその事を――」
「もうだいぶ暗い事ですし、女性が一人なんて危ないですよ。さぁ、もう家に帰りなさい。私ももう帰るとします」
さようなら。そう言ってモールさんは笑顔で(表情は実際あまり見えないけど)言ってしまった。
私は気持ちの整理がちゃんとできないままに家に帰っていった。