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□蒼の孤独(下)
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「この町に正義のヒーロー気取りなんていらない。だから私が駆けつけても誰もが心の内で舌打ちをするんだ」

「そんなこと」

「あるよ」

私の言葉をさえぎるように言う。

そんなことないのに・・・私たちは、心から助けを待っているのに。

「子どもを助けようとして駆け付けるときの風圧で家が全壊。子どもを助けても周りは血の海。家に届けてあげようとして他のSOSが聞こえると子どもを放り出してそちらへ行く」

そんなヒーローはいらないだろう?

そう言った彼はむしろ笑ってさえいた。

嗤ってさえいたのだ。己を。

私はそれに怒りを覚えた。本当のことを言うとそうかもしれない。だけど私たちは単なる助けが欲しいだけではない。

救いがある、彼、ヒーローがいるという助けが欲しいのだ。

それを分かっていない。

「スプレンディド、あなたはなにも判ってないわ」

「どういうことだい?」

「貴方の人柄にも多くの人が助けられたのよ?それに、失敗はあれどあなたは頼られている。実際たくさんの人を助けたじゃない」

あなたは必要なの。

この町にも。

そして私にも。

いつしか私の眼には涙があふれていた。
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