囲碁部は只今活動中！
□聞こえなければそれでいい
1ﾍﾟｰｼﾞ/2ﾍﾟｰｼﾞ
いつもいつも、佐伯部長は彩乃先輩に相談せずに物事を実行してしまうのだけど、今日はそうでもなかったらしい。
「えー、来週なんだけどな、好江大付と練習試合をしようと思う。今回は初めてという事でチーム選ではなく個人戦だ」
その言葉に彩乃先輩が続ける。
「この前のランキング戦から対戦表は作ってあるの。廊下にランキング自体も張り出してあるから両方見ておいて」
「それでは、今日も頑張るように、以上！」
その言葉で一斉に対局の準備をし始めた。
「薫、ランキング、見に行かない？」
「あぁ、いいよ・・・なんとなくわかるけどね」
えーっと、ランキングはっと・・・
あ、これか。
「二年は一位、幸輝、二位隆二、三位が僕で、四位が和人か」
うん。予想通りだ。
「三年も予想どおりって感じだね・・・ほら、部長が一位、彩乃先輩が二位。他の先輩は正直そこまで強くないからね、当たり前か」
幸輝の毒舌健在。
三年ににらまれてるとか僕は知らない。
・・・。
「んー、もうちょっとぜんたいてきにつよくならないと、だね。幸輝、この前の定石教えてよ」
「いいよ、どれだったっけ・・・ケイマ受け・・・？」
「それそれ」
僕らはそんな話をしながら教室に戻って行った。
※ケイマ受け…囲碁の定石の一種。