悪食少女の非日常
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「私は昔、祖母と一緒に暮らしていました。
両親はすでに他界しており、肉親と言えば祖母一人でした。
祖母は優しい人でした。私が異端児であることを知った上で、育ててくれて、私の異端を隠してくれました。
それは、3年前から始まりました―――
* * *
「ねぇねぇ、おばあちゃん、あのお話聞かせてよ」
「おや、またあのお話かい?たまには違うお話を聞きたくないのかい?」
祖父は優しく聞いてきましたが、私はというと、
「ううん、あのお話がいいの!ねぇ、お願いー」
そう言ってだだをこねていた。
祖母は仕方ないねと言うような顔をして、私の前に座って話して聞かせてくれた。
「昔々、あるところに“幸せの木”という木があり、人々はそこに町を作って暮らしていました。
人々はその街を、『幸せの町』と名づけ、毎日楽しく過ごしました。
しかし、愚かな人間たちは、お互いに争いだしたのです―――」
「ねぇ、おばあちゃん、なぜ争い始めたの?みんな仲良くしていればいいのにね」
そう言うと、祖母はどこか悲しそうな笑顔を見せて言った。
「さぁねぇ、そんな生き物なんだよ」
そう言って話を続けた。