悪食少女の非日常
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結局キルはこの町に住むにあたって、家が出来るまでギグルスの家に住むことになった。
もちろん家を建ててるのはハンディだ。(いったいどうやって建てるんだ)
今日はキルが来て一週間目。
そろそろ家もできるだろう。
俺が朝食を作ろうとしたところ、
「ランピーさん!おはようございます!」
「おはよう、ランピー」
ギグルスとキルが来た。
来たばかりは緊張していたけれど、今日のキルの表情は柔らかい。
だいぶ町の様子にも慣れてきたようだ。
「おはよう。調子はどうだ?もうこの町には慣れたか?」
俺が聞くとキルは満々の笑みを俺に向けた。
「はいっ!おかげさまで何不自由なく過ごせています!」
そうか。それならいい。
「キルちゃん、別に敬語なんて使わなくていいのよ?とりわけランピーには。ね?」
ギグルスが言った。
「おい、とりわけ俺はってのはどういう意味だ」
なんか失礼じゃないか?
そう思って言うと彼女は呆れたように言った。
「だって、ランピーは子どもに対して悪影響な事しかしないじゃないの」
「俺がいつそんな事をしたってんだ」
「あら、昨日公園のベンチに座ってエロ本を読もうとしてたのはだれかしら?」
ギグルスの蔑むような視線。
キルの苦笑い。まるで年頃でしょうからしょうがないですとでも言わんばかりの視線が痛かった。
「・・・で、今日はなんで来たんだ?」
「あ、ええっと、今日家が完成したようなので、あらためてお礼を言いに来ました。ほんとに何から何までお世話してくださりありがとうございますです!」
あぁ、やっぱり出来てたか。
「そんな、礼なんていいんだぜ?お前が楽しく過ごせているならそれでいい」
キルの頭をなでてやると、気持よさそうな顔をした。
・・・猫みたいだなこいつ。
「傍から見たらただのロリコンね」
「ちげぇっ!」
「あの、そう言えば何ですけど、ふぁーすとこんたくとで私、手に噛みつきましたよね?あれ、大丈夫でしたか?」
ひらがな発音は気になるがこの際スルーだ。
「大丈夫だ、気にするな」
そう言うと、キルは笑顔で良かったです、といった。