悪食少女の非日常
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――トン、トン。
誰かがドアをたたく音が聞こえた。
お客様が来る予定なんてあったかしら・・・?
一先ず軽く身だしなみを整え、ドア開けてみると、黒髪の10歳くらいの女の子が不安げに立っていた。
「えっと・・・ペチュニアさん、ですよね?私、この町に引っ越してきました、キルと言います」
ゆっくり、女の子が聞いてくる。
そう言えば、ギグルスに引っ越してきた人がいると聞いていたわ。
家そんなことよりこの子―――
「か、かわいいいいっ!!」
「ふ、ふわあぁっ!?」
私はたまらずキルちゃんに抱きついた。
なんだかじたばたしてるような気がするけど気にしない。
「何この子可愛すぎるっ」
小動物みたいな瞳とか、小さいからだとか、まるで人形みたいっ!
「ね、これからお茶でも飲まない?」
腕を緩めて聞いてみたら、「ほ、他にも回らないといけないで・・・」と断られてしまった。
残念だわ・・・。
「え、えっと、私はそろそろ行かないといけないです」
「あら、それならちょっと待って」
私はキッチンへ行って、あるものを持ってきた。
「これ、私が作ったクッキーよ。持ってって」
するとキルちゃんは笑顔で言った。
「ありがとうございますです」
「またいらっしゃいね」
はーい、とキルちゃんが言って走って行った。あぁ、あんな子が妹だったらいいのに。
―――まぁ、急にせいちょうするかもしれないんだけど・・・。
せいちょうしちゃうなんてもったいないわ。