悪食少女の非日常
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部屋が暗くなり、家主が寝たことを確認して俺らは家の中に忍び込んだ。
「兄貴にしてはいいアイディアだよな、昼間のうちにドアに細工をするなんてさ」
「なんだその“にしては”ってのは!」
声を荒げる兄貴に「声でかいっての」と言って黙らせる。
ほんと兄貴はお子様だよな、婚だけでキレそうになるなんて。
そんなやり取りをしてから手近な部屋へ入る。
「リフ、これ見てみろよ。ルビーの指輪だぜ?」
兄貴が見せてきたのは細かな細工にルビーのついた指輪。
「へぇ、子供だってのにけっこう高そうなものもってるじゃん」
俺はそれを用意した袋に入れる。
周りを見てみるが・・・他には特にめぼしいものはないか。
「兄貴、次は?」
「寝室いくぞ」
寝室か・・・ちょっと気がかりではあるが、子供だし大丈夫か。
寝室へ行ってみると、黒髪の少女がすやすやと寝ていた。
とりあえず、物音を立てずにバックの貴重品をあさる。
ん、意外と高額持ってる。
「そろそろいくぞ」
兄貴が言ったので、部屋を出ようとした時、
がたっ!!
そばの花瓶が倒れた。同時に指輪も下へ落ちる。
「ん・・・?」
やばい!目が覚めた!!
俺があわてていると、兄貴がナイフを持って少女の首に突き付けた。
「お前、ちょっとでも暴れたら切るからな!」