悪食少女の非日常

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真昼の太陽が高く上った頃、やっと生き返った俺達双子は茂みの中で話していた。

「なぁ、兄貴・・・」

「もう何も言わないでくれ」

兄貴、相当まいってるみたいだな。
そりゃあれだけ今度の獲物は弱いから成功する!みたいな事言ってて失敗したんだから相もなるか。

つか、何なんだあいつ!俺らの体を食ってたぞ!?
ちびだし女だし、盗むのも簡単だと思ってたのに!!
まったく、俺ら含めてこの町にはろくな住人がいない!!
・・・いつかこんな町でて言ってやる!!

「なぁ、リフティ」

唐突に兄貴が俺を呼んだ。

「今回の失敗は俺らのせいじゃないよな?」

凄く弱気な兄貴の発言。
兄貴の背中が何となく自信が無いように感じて俺は言った。

「何言ってんだ兄貴。あんな化け物みたいなやつの家に忍び込めただけでもすごいんだぜ?ぜってー俺らのせいじゃないって!」

そう言って声をたてて笑って見せた。
すると兄貴も元気を取り戻したようで、振り返って「だよな!今度こそ成功させるぞ!!」と笑った。

「仲がいいのはいいけれど、盗みを成功させるという発言自体は頂けないな」

いきなり後ろから聞こえてきた声。
俺たちはその声に背筋が凍った。
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