悪食少女の非日常
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大きな揺れだ。部屋の中の家具が大きくゆられている。とりあえず、家具が倒れない安全な場所へモールとキルを移動させるか。
「こっちへくるんだ。そこは危ない」
そういって引き寄せる。
しばらくすると揺れは収まった。
しかしおかしい。今まで地面が揺れるなんてなかった。
「地震…ですかね」
地震…?
どっかで聞いた事ある気もするが点で覚えていない。
…これだから馬鹿って言われるのかよ。
「ランピー君、新聞配達をしているならこれくらい知っておきなさい。先ほどのような揺れの事ですよ。確かにこの町にはめったに起きませんが、ないわけではないのですよ」
そういえば、そんな内容だったような。初体験だな、地震。
「しかし、もし地震であれば今のは一番最初の揺れ。また起きたら今度こそ生き埋めになる事でしょうね」
「ひっ…い、生き埋め…です…?」
キルの表情がまた強張る。
そりゃ、そうだろうな。いくら生き返るとはいえ、生き埋めはつらい。
…俺がやってしまったことではあるが、カドルスも相当苦しかっただろうな。申し訳ない。
「それじゃあ、ここを出るか。ほら、行くぞ」
そういって手を引こうとしたが、モールに止められてしまった。