悪食少女の非日常

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キルちゃん、どこへ行ったんだろう?いつの間にかいなくなっちゃったけれど…
研究室は確かスニフがカギをかけてる。キッチンやバスルームなんかも一応探してみたんだけれどやっぱりいなかった。

どうしよう、あと探してない場所と言えば、スニフの部屋くらい。
スニフと一緒にいるのかしら?

スニフの部屋ヘ行くと、扉が少し開いていて、中からシフティの声が聞こえてきた。
なんだ、双子も来ていたのね。

ノックして入ろうとしたのだけれど、中から少し引っかかる言葉が聞こえてきた為に止めてしまった。

『…スニフ君、君にこのウイルスについて調べてほしい。僕たちがここへ来たのはそれが理由だ』

『ウイルスについてはその存在は確認しています。ただ、これに聞く薬の開発はまだです。正直、薬が完成したとしても、それまでにさらに多くの住人が無くなってしまう。それよりは直接中枢都市に向かって交渉を持ちかけるべきだと思っています』

『…君は、それにキルちゃんが行くべきだと思っているんだろう?だが、キルちゃんはまだ子供だ。危険な目に合わせるわけにはいかないだろう。これは大人で、尚且つ運動能力にたけているものが行くべきじゃないか』

どういう事…ここ最近の襲撃はすべてキルちゃんが関係してるとでもいうの?

しかもその元凶がこの国の中枢都市で、そこにキルちゃんを行かせるだなんて…!!

あまりにも衝撃が大きすぎて身動きすら取れない。
何故?あの子はいい子じゃない。何故あの子が背負わなくちゃいけないの。何故あの子が危ない目に合わなくちゃいけないの?

しばらく何もすることが出来ずただ同じような疑問と憤りが私の頭の中をめぐり続けた。

もうキルちゃんと顔を合わせられそうになくて私はその場を離れる事にした。
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