悪食少女の非日常
□幕間2
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『ねぇ、おばあちゃん、今日もあのお話聞かせて!』
『おや、またあのお話かい?いいわ、話してあげましょうね』
幼い女の子の声、歳をとった女性の声。
女の子とおばあさんがいた。
『昔々、あるところに“幸せの木”という木があり、人々はそこに町を作って暮らしていました。
人々はその街を、“幸せの町”と名づけ、毎日楽しく過ごしました。
しかし、愚かな人間たちは、お互いに争いだしたのです』
『喧嘩しちゃ、ダメなのにね、なんで喧嘩するんだろうね?』
『さぁね…。人間はそんな生き物なんだよ』
『…それを見た“幸せの木”の守り神は、それを大変お怒りになって、人々に罰をおあたえになりました。
人々はそれにより、寿命以外の理由で死ぬことが出来なくなってしまったのでした』
『普通、死なないっていいことだと思うんだけどなぁ。そしたら、大好きな人と一緒にいつまでもいられるでしょ?』
「そうねぇ…今はわからないかもしれないわね。でもきっといつか**にもわかるよ』
『そうなんだ…』
『そう、きっとわかるわ…続き読むわね。最初は人々も喜んでいました。しかし、だんだんとその恐ろしさに気がついたのです。
人々は守り神に頼みました。
“お願いです、どうか元の体に戻してください”すると憐れに思った守り神は、“お前たちが1000の良い行いをしたならば、許して元の体に戻してあげましょう”と言いました。
それからというもの、人々は良い事をしようと心がけ、争う事が少なくなりましたとさ、おしまい』
『**、この話をする時何時もいっている事だけれどね…“人間は争う生き物”だといったけれど、自分がどうするかで、変わる事は出来るんだよ。
いつかきっと、誰からも慕われるような子になっておくれ』
『うん!!』
小さな女の子が元気よく返事した。
* * *
また、この夢だ。
ここ最近は見ていなかったんだけれど…。
ゆっくりと体を起こす。何故かこの夢をみたときはいつも体が重く感じる。