悪食少女の非日常

□幕間2
1ページ/3ページ

『ねぇ、おばあちゃん、今日もあのお話聞かせて!』


『おや、またあのお話かい?いいわ、話してあげましょうね』

幼い女の子の声、歳をとった女性の声。
女の子とおばあさんがいた。

『昔々、あるところに“幸せの木”という木があり、人々はそこに町を作って暮らしていました。

人々はその街を、“幸せの町”と名づけ、毎日楽しく過ごしました。

しかし、愚かな人間たちは、お互いに争いだしたのです』

『喧嘩しちゃ、ダメなのにね、なんで喧嘩するんだろうね?』

『さぁね…。人間はそんな生き物なんだよ』


『…それを見た“幸せの木”の守り神は、それを大変お怒りになって、人々に罰をおあたえになりました。

人々はそれにより、寿命以外の理由で死ぬことが出来なくなってしまったのでした』

『普通、死なないっていいことだと思うんだけどなぁ。そしたら、大好きな人と一緒にいつまでもいられるでしょ?』

「そうねぇ…今はわからないかもしれないわね。でもきっといつか**にもわかるよ』

『そうなんだ…』

『そう、きっとわかるわ…続き読むわね。最初は人々も喜んでいました。しかし、だんだんとその恐ろしさに気がついたのです。

人々は守り神に頼みました。

“お願いです、どうか元の体に戻してください”すると憐れに思った守り神は、“お前たちが1000の良い行いをしたならば、許して元の体に戻してあげましょう”と言いました。

それからというもの、人々は良い事をしようと心がけ、争う事が少なくなりましたとさ、おしまい』

『**、この話をする時何時もいっている事だけれどね…“人間は争う生き物”だといったけれど、自分がどうするかで、変わる事は出来るんだよ。

いつかきっと、誰からも慕われるような子になっておくれ』


『うん!!』

小さな女の子が元気よく返事した。

 * * *

また、この夢だ。
ここ最近は見ていなかったんだけれど…。

ゆっくりと体を起こす。何故かこの夢をみたときはいつも体が重く感じる。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ