悪食少女の非日常

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くそっ、ちっこいくせになんであんなにはえーんだよ!
さっきから森の中必死に走ってるってのにあいつの姿が全く見えてこねぇ。

「リフ、やっぱりもうすでに森を抜けたと思うか?」

「そうだろうな。ったく、キルは最初会ったときから既に素早いとは思ってたけど…此処まで早かったか?」

いや、最初会った時はここまで素早くはなかった。
言ってみれば、どれだけ素早いか分かればどうにか対応できていただろう。
だが、今のこれはなんだ。

まるで追いつかん。

「そういや兄貴、似非ヒーローからの連絡はまだなのかよ」

「ん、忘れてた」

走りながら、森の猛獣やら食人花やらをさけながらだからすっかり忘れてた。
てか、そんな余裕ないっての。

「…掛けてみるから周り気にしてくれよ」

おー、と生返事をしつつも相変わらず走り続ける。

今現在、俺らは二人で行動しているが、そのほかに似非ヒーローとランピーの野郎が別々にキルを探している。キルが見つかった時のために、とスニッフルズからもらったトランシーバーでやり取りをしながら移動している。

「ディド、聞こえるか?」

『リフティかい?あぁ、聞こえてるよ。キルちゃんならまだ見つかってない。ランピーから聞いた話では家に指輪を置いてたらしい。一度家に行ってみたのだが、指輪は見つからなかった』

「もう中枢都市に向かっているってことかよ…」

『おい、こっちはだんだん血痕やら兵士の死体やらが増えてきた。多分もう都市についてるだろうな。怪我がないといいが…』

ランピーは確か、車走らせて真っ先に中枢都市に向かっている。とりあえず、俺らも周辺探しながらってのをやめてまっすぐ都市へ行くか。

「ったく、世話掛けやがって…!!」

キルを連れ戻して町が元に戻ったら真っ先にキルをしばいてやる!
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