悪食少女の非日常

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「い゛っ…私は…お父さんの仇を討たないと、い、いけないのに…!」

「はっ、この程度でひるんでるようじゃそんなことできるわけがねぇだろうが。笑わせてくれる」

「…なんでここにいる、ですか」

多人数空の容赦ない攻撃に膝をついていたキルの前に立ち、皮肉を言ってやれば震えるような声が返ってきた。
背中の後ろにキルがいるから顔は見えないが、きっと驚いてるに違いない。

「お前とさぁ、一度まともに殺り合ってみたいんだよなぁ。でも、そうするためにはこいつら切りぬけねぇとお前殺されちまうじゃん」

最初は驚いた。町の住人なら寿命以外に完全に死ぬことはないってのに明らかに若い奴らの腐りきった死体がごろごろころがってた。
それがこいつらの武器によるものなら、キルを殺させたら楽しくない。

「何故私なんです?」

まだ動けないのか、俺の後ろから体を動かさずそれでも敵を切りつけているのが分かる。
俺は俺で前方から攻めてくる兵士をサバイバルナイフで切り刻む。
折角楽しんでいたってのに。

"かわって"

"僕がキルちゃんは守る"

“君の助けはいらない”

"これは僕と彼女との問題であってキミは関係ないんだ"

“こいつ”が水を差しやがる。

「ちっ、うるせぇな。変わればいいんだろ変われば…おい、そこの餓鬼。それについてはは“こいつ”に聞けよ」

次に夢で“こいつ”と会ったらブッ殺してやる。

どういうこと、と困惑しているであろうキルをちらりとみて、俺は意識を手放した。
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