悪食少女の非日常
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あぁ、もう駄目なんだろうか。銃口がこちらに向けられているのが分かる。防弾チョッキを来ているからすこしくらいなら問題ない。
しかし、それも一体いつまでもつかわからない。
キルちゃんは急に倒れた衝撃で気を失ってしまったらしい。微動だにしない。
これはだいぶまずい。
およそ敵は20人。少ないとはいえ、高も囲まれていれば厳しい。それに今は下にキルちゃんがいる。
「…撃て」
ここまでか、と目を瞑り責めてキルちゃんをかばえたらと精いっぱいキルちゃんを抱きしめた時だった。
「フリッピー。最近見てなかったかと思いきやこんなとこにいたのかよ。…全く、キルちゃんはそこにいるんだろうな?」
「っ、誰だ貴様っ!」
すこし離れたところで男の声が聞こえた。
聞こえているのは一人。だけど複数明の気配がある。
「…ランピーさん。来てたんですか」
「おー、裏じゃないのか。そりゃ余計に対峙しなくてすんで大助かりだな」
間の抜けたようなしゃべり方。ランピーだった。
ということは、残りは町の住人…最低限一人はスプレンディドさんと言ったところだろう。
「ぐはぁっ!?」
「な、何だあの怪力!それに…宙に浮いている…!?」
やっぱり。
スプレンディドさんが敵を薙ぎ払い、ランピーさんはナイフで応戦しているようだ。
「おい、起きあがれよロリコン野郎−!」
「キルが下敷きになってんだ、とりあえず逃げようぜ?」
「…双子さん」
この二人までキルちゃんの救出に来ていたのか…。
「ありがとうございます」
双子に助け起こされ、気絶しているキルちゃんを抱き上げた。
周辺はだいぶ敵が減って来ている。
“チッ、俺だったら餓鬼がいてもこのくらい一層出来てたってのによぉ”
「…君だったらキルちゃんも殺していただろう」
そう呟いた言葉はリフティに聞こえていたらしい。
「フリッピー、お前どうかしたか?」
「いえ、なんでもありません」
「そか、こんな危ない場所、一旦はなれよーぜ」
一つ頷いて、周辺に気をつけつつ、キルちゃんを落とさないようにして走り出した時。
ぴくり、とキルちゃんが動いた。