悪食少女の非日常

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昨日の夜はバケツをひっくり返したかのような大雨だった。
そのためか、今日は朝から雲ひとつ無い改正となった。こんなに天気がいいのに外に出ない事は無いと森を歩いていたところ・・・

「なっ、なんだこれ!?」

低木の茂みの中にうずくまって眠っている少女を見つけたのだった。


「今、ベットに寝ているのが貴女の拾って来たという少女ですか?」

モールがベットの上の少女を見て(少なくとも俺にはそんな風に見えた)聞いてきた。
「あぁ、そうだ。一応怪我に関してはそうひどいものではなかったんだが、まだ意識が戻らない」
あのとき、さすがに森に放置してかえるのも気が引けたので連れて帰ってきた。
少女は全身に傷を負っていた上に泥で汚れていたから、一先ず風呂に入れて(俺はそういう性癖は持ってないから安心してくれ)手当をして寝かせておいた。
そろそろ目が覚めてもいい頃だと思うんだが・・・ん?

「?どうなされましたか?」

「いや、意識画も載ったみたいだ・・・おい、」

“大丈夫か”と言おうとした瞬間、俺とモールとの間に物すごいスピードで何かが通り過ぎて言った。

「一体どうし…!!」

頬に痛みを感じる。刃物で切ったかのような傷。
血が流れるのが分かる。
もしやと思ってベットのほうを見てみるとそこには誰もいない。
あからさまな殺気を感じる。
嫌な予感がしてモールのほうを振り返るとその後ろに人影―――

「モールッ、危ないっ!!」

それはモールを横に突き飛ばした。モールがよろけたその先にあったのは“開いた窓”。

とっさにモールに駆け寄り助けようとするも一足遅く、窓から転落してしまった。
俺は安否を確認しようとしたが、また後ろから風のような殺気を感じた。

急に相手は俺に殴りにかかってきた。
とても素早い上に動きがつかみにくい。
だが、反撃しようにも相手は子供。どうもやりにくい上に当たるような気がしない。
どんどん追い詰められていった。
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