悪食少女の非日常
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・・・あれ、一体、何があったんだったっけ・・・?
なんで、ベットじゃないところで寝てるんだろ。
私はゆっくり体を起こした。
「キル・・・ちゃん・・・?」
そばにはキルちゃんがすやすやと寝ていた。
その小さな体には、いたるところに木片や赤いシミがついていた。
「赤い・・・血?」
そうだ。私たちはいきなり襲われて・・・
「・・・う、そっ・・・」
死体だ。奥の方に死体が山積みにされている。
死体なんて久しぶりに見た。
生き返る気配もない。
「気がつきましたか。大丈夫ですか?」
フリッピーの声。裏の人格は出ていない、か。
「なんでフリッピー君が・・・?」
「あぁ、町の外から怪しい集団が乗り込んで来たので不審に思ってついてきたらここに着いたんです。本当は助けようと思っていたのですが・・・すみませんでした」
深々と頭を下げる様子がなんとも悲しそうだった。
そう言えばナイフはフリッピー君が投げていたような気がする。
「大丈夫。ねぇ、ペチュニアはどこ?」
「向こうに寝かせてあります」
それより、はなしたいことがあります、と。
彼の目が真剣になる。
私は気がつかないうちに、助けを請うようにキルちゃんの服の裾を気がつかないうちに握っていた。