悪食少女の非日常
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「まったく…いくら倒してもきりがない。一体どうなっているんだ…」
町に、外からの兵が次々とやって来ている。悲鳴が聞こえるたびに助けに向かっているが、それでも追い付かない。
どれだけ町中を飛び回っただろう。それでも悲鳴はやまない。
特に西地区の荒れようはひどい。一生懸命救助しているにもかかわらず、最近になっては人の気配さえも薄くなっている。
その上、おかしなことに明らかに寿命でない住人の死体まで見つかっている。
今のところ規模の狭い西地区の一部だけに被害はとどまっているようだが。
「これは調べなければ、余計にも死者が出そうだ…、ん?」
どこからか聞き覚えのある悲鳴。この明らかにバカみたいな声はきっと…
「…あの双子か」
あれほど外に出るなと行ったというのに、またこの騒動をチャンスに盗みでもしているんだろう。
仕方ない。
「助けに行くか」
行くしか選択はない。なぜなら私はヒーローなのだから。