悪食少女の非日常
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「それを見た“幸せの木”の守り神は、それを大変お怒りになって、人々に罰をおあたえになりました。
人々はそれにより、寿命以外の理由で死ぬことが出来なくなってしまったのでした」
ここで私はまた祖母に聞いた。
「なんで寿命以外の事で死なないって言う事が罰なの?全然いい事じゃない」
そう言うと、祖母は首を横に振りました。
「キル、お前にはわからないかもしれないね。しかし、これは人々にとって最悪の罰なんだよ」
きっといつかキルにもわかるよ、そう言いました。
「最初は人々も喜んでいました。しかし、だんだんとその恐ろしさに気がついたのです。
人々は守り神に頼みました。
“お願いです、どうか元の体に戻してください”すると憐れに思った守り神は、“お前たちが1000の良い行いをしたならば、許して元の体に戻してあげましょう”と言いました。
それからというもの、人々は良い事をしようと心がけ、争う事が少なくなりましたとさ、おしまい」
話し終わって祖母は私の頭を優しくなでてくれた。
「キル、さっきは“人間は争う生き物”だといったが、自分がどうするかで、変わる事は出来るんだよ。
いつかきっと、誰からも慕われるような子になっておくれ」
「うん!!」
* *