悪食少女の非日常
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その後すぐだった。
私たちの家に、兵が送り込まれたのは。
“政府は私の存在に気が付いていた”
私と祖母は必死に逃げたが、祖母は銃で撃たれてしまった。
「おばあちゃん・・・ごめんなさい。私が変な子だからっ・・・」
そう言って私は泣いた。
すると祖母は苦し紛れに私に笑んで、こういった。
「大丈夫、お前のせいではないんだよ」
そう言って頭をなでてくれた。
「キル、お前は生きなければならない。逃げなさい」
「でっ、でもっ!!」
そんなこと出来るはず無い、そう思って言い返そうにも言葉につかえてなかなか言えない。
「キル、お前は本当は『幸せの町』にいるべきだったの」
私には衝撃的な言葉だった。
私は『幸せの町』の話は好きだったが、まさか、それが現実だったなんて。
その上私がその一人だったなんて―――
祖母は私の手を握って言った。
「お前の父親は、元『幸せの町』の住民だったが、外の娘に恋をして町を去ったの。
政府はそれを知って恐れ、お前の父親を寿命まで監禁し、母親を殺したの。
―――さぁ、行きなさい。時期に追手が来る。町を目指しなさい。あの町に行けばきっと、幸せになれますよ」