悪食少女の非日常
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その後二人は俺にクッキーを渡して帰って言った。
・・・なんだろな、ちょっと心に傷が出来たような気がする。
気がつくともう日が高く上がっていた。昼か。
「そういや、朝食さえ取ってなかった・・・」
* *
「これが私の家ですか!?」
少女・・・キルが言った。
「あぁ、俺が一生懸命お前のために建てたんだ。どうだ?気にいったか?」
聞いてみると、キルは目をキラキラさせて答えた。
「はいとっても気に入りました!!ハンディさん、すごいです!ありがとうございます!!」
なんだろうか、こいつを見ているとなんだか癒されるな。
「―――そうか、それはよかった」
何より喜んでくれるのがうれしい。
「そう言えばだが、お前は町のやつらにはもう会ったのか?」
「あ、いえ・・・実は、この町に来てから昨日までギグルスさんの家にこもっていたものですから・・・」
しょんぼりとした顔。まだ背が低く、顔つきも押さないからそんな顔も可愛く見えてしまう―――いやいやいや、何を考えているんだ俺はっ!?
「それなら今から行ってみてはどうだ?今日は天気がいいし、な?」
「そうですねっ!!荷物を運んだら行ってきます!!」
そう言って走って行ってしまった。
まったく、元気がいいな。
・・・もっとも俺だって若い方だけどな。
そんな事を思いながら、俺はキルを手伝いにギグルスの家に向かうのだった。