悪食少女の非日常
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「別に、ただいつものように盗もうとしただけだぜ?」
うん、そうなんだよな・・・いや、違う。確かあの時――
「指輪をあいつに見せたんだ。いいものあるじゃんかって」
多分そのせいでキレたんだ。きっと俺らはなんかの引き金を引いたんだろうな。
「なるほど・・・指輪、か」
似非ヒーローが何か考えるようにつぶやいて、俺らから背を向けた。
「ありがとう・・・もう私は行くとしよう。君たち、悪さをするんじゃないよ」
その言葉に兄貴が笑って「もちろんするに決まってんじゃん」なんて言おうとするものだから、あわてて口をふさぐ。
もごもご何か行ってるけど気にしない。
“ここで殺されたらたまったもんじゃない”
「し、しないから早くどっかいってくれ!」
すると「そうかい?」と言って飛んで行った。
はぁ・・・なんか疲れたわ。