悪食少女の非日常
□9
1ページ/4ページ
今日は日曜日。
私としては、ヒーローの仕事を休んでゆっくりパンでも焼いていたかったのだが、世の中そううまくもいかないらしい。
「う・・うぅぅっ、うぁぁっ・・・」
道のど真ん中で泣いているキルを見つけて途方に暮れていた。
「だ、大丈夫、かい・・・?こんなところで一体、どうしたというんだい・・・?」
「う、うぅっ…」
問いかけても返事は帰ってこない。それどころかさらに涙をぽろぽろ流す始末。
私が泣かせていると思っているのか、道行く人々の視線が痛い。
焦りを感じて冷や汗が首筋を伝った。
「とりあえず、公園にでも行かないかい?」
聞いてみると、キルはコクリとうなずいた。
「では、行こうか」
私は彼女の小さい手を握ってゆっくり歩き始めた。