悪食少女の非日常

□9
2ページ/4ページ

幸運にも、公園には誰もいなかった。

私はベンチにキルと座った。

・・・どうやら、歩いているうちに少し落ち着いたらしい。

服の袖で涙をぬぐっていた。


「何があったか、教えてくれるかい?」

「あ、あの・・・言っても、怒りませんか・・・?」

「もちろんだよ」

その言葉に安心したのか、ゆっくり、話してくれた。

「私の目の前に、前に町の人を殺して言った犯人が現れたんです・・・」

「それで、太刀のようなものをだして小さな子供を切ろうとしていたので、その子を逃げさせて失神させたんです・・・助けたい一心で」

すごいじゃないか。私が助けるべきだったところを、よくやったじゃないか。

小さいのに、ありえないほどに強い。

それの中に、怒る理由などあろうか?

しかし、その後に続いた言葉は私の予想をはるかに超えたものだった。




「そのあと、どうしても、おさえられなくて・・・その人を食べたんです」

・・・え?
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ