悪食少女の非日常

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「西地区で死亡者が出たのですか・・・」

「そう。俺的には、ある意味西地区の奴らは喜んでるんじゃないかと思うけどな」

俺がそう言うとモールは顔をしかめて言った。

「めったなことをいうものではありません」

「あの、なんでうれしいになるんですか・・・?」

キルが俺の服の裾を引っ張って聞いた。

そうか、よくは知らなかったんだったな。

「幸せの町はな、西地区と東地区に分かれている。俺らが住んでいるところが東地区だ。なぜ二つに分かれているかというと、昔死ぬことについて意見が分かれたらしい」

「ランピー君」

モールが止めようとする。

が、もうキルもこの町の住民なんだ。知ってもいいころだろう。

年齢的にはまだ幼いが、こいつは大人になろうとがんばってるのだから。

「その時、死に続けるのはいやだ、争いも無く、他からの干渉も無く安全に暮らしたいと思った奴らは西地区に住み始めたんだ」

「東地区は?」

「残った奴らは今まで通り人との触れ合いのあるところで楽しく過ごしたいと思った奴ららしい。俺らはその子孫だな」

だから西地区より東地区の方が活気も死亡事件(生き返るが)も多い。
といっても、最近は西も東もそこまで変わらないが。

「でも、死にたいなんて思う人はいない、そうでしょ?」

「・・・キルさん、そうとは限らないものですよ」

モールがキルの質問に答え、悲しそうな笑みを見せてキルの頭を優しくなでた。
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